私は現在56歳になります。子供達二人は既に家を出て夫と二人だけの生活になりました。もう夫とは20年近く夜の生活はありません。私が頑なに夫とのセックスを拒んだのが原因です。当然夫は浮気をしました。でも当時の私にとってそんなことはどうでも良かった。彼ヒロシさんが居たからです。
20年前、姑と同居していた私はことある毎に嫌みな言動を取られ、挙げ句の果てには3人目を宿した私が体調不良で寝ていると、「この穀潰しが。子供だけは作って。また収入が少なくなる」と罵られたのです。このことを涙ながらに夫に訴えても、夫は自分の母親の言いなり。挙げ句の果てに「お前が悪いんだ」とまで言われる始末。その言葉を聞いて、絶望した私は無我夢中で車を走らせ産婦人科に行き、中絶をしてその子を堕ろしました。罪深いことをしましたが、耐えきれなかったのです。
そんなことがあってから半年後の休日の午後、当時流行っていたテレクラに衝動的に電話をしたのです。そこでヒロシさんと出会いました。彼の優しい言葉や誠実な対応に、最初はそんなつもりも無かったのですが、無性に逢いたくなり次の休みの日に買い物に出掛けると嘘をついて梅田に出ました。お昼前に待ち合わせ場所にヒロシさんが待ってくれていました。直ぐに分かりました。優しい眼差し、誠実そうな雰囲気が身体全体からにじみ出ていました。「美恵子さんですね」と声を掛けてくれました。私は思わず微笑んで彼に近付き、自分でもビックリしましたが彼の腕にすがっていたのです。ちょっとビックリしたヒロシさんでしたが、直ぐに優しく手を繋いでくれて予約していた和食料理店に連れて行ってくれました。美味しい懐石料理を戴きながら、勧められるままにビールそして冷酒を戴きました。瞬く間の2時間が過ぎました。お店を出てたわいも無い会話をしながら散策しました。凄く幸せな時間でした。帰りたくない気持ちで一杯でした。
「失礼な言い方だけど、美恵子さんをこのまま帰したくない。二人だけになりたい」
と言われたのです。彼の目を見ました。優しい眼差しの中にしっかりとした気持ちを感じました。私は素直に頷いてしまいました。そして、
「私も同じ気持ちです」
と答えてしまったのです。彼が意味することは当然承知の上でした。抱かれても良いと思いました。
「家に遅くなると電話しますね」
と彼に告げ、早速家に電話を入れ、偶然大学時代の友達と会ったので夕食を済ませて帰るので、遅くなると嘘を言いました。
後は二人には言葉は要りませんでした。ホテルに手を繋いで入り、部屋に入るなり彼が抱き寄せてくれ、優しいキスからディープキスへ。もう舞い上がるほど素敵なキスでした。愛を感じました。しわが寄ってはダメだからと着ている物を脱ぐように促され、彼と一緒に脱ぎました。ブラも採りました。パンティだけになりました。彼が全てを脱ぎ捨てた時、当時40代前半だったヒロシさんのあそこは大きく勃起していました。
「凄い。大きい。夫と比べものにならない」
私の目は釘つけになっていたようです。彼が近付き私の手を取り握らせてくれました。指が何とか回るかなというほど太いのです。長さも主人と比べようがないほど長かったです。固かったです。激しく再びディープキスを交わし、そのままベッドに。確か小さい声で「お風呂」と言ったつもりですが、ヒロシさんは
「美恵子さんのそのままが欲しい」
と愛撫を続けてきたのです。やがてパンティも脱がされ、臭いがしたと思いますが、私の恥ずかしい部分に舌と唇を這わせて、今までに感じたことの無い快感が全身に走り、大きな声を上げていたと思います。訳が分からなくなるほど、どんどん別な世界へ。そしてついにその時が来たのです。大きな岩が崖の上から落ちてきたかのような衝撃を受けました。ヒロシさんのものが私の中へ。グイグイと力強く、今までは有り得ない奥まで入ってきたのです。それと同時に凄い快感が湧き上がってきて、私はヒロシさんに抱きついてしまいました。
暫くして,私の髪の毛を優しく撫でながら、私の顔をのぞき込んでいるヒロシさんに気付きました。気が遠くなってしまっていたのです。失神ですね。こんな世界があるとは思いませんでした。彼のものは私の身体の中でその大きさを保ったまま脈打っていました。その後は彼のなすままでした。夫とはしたことの無い体位をいくつも取りながら、何度も何度も登り詰めました。夫しか知らなかった私が、本当の絶頂を味わったのです。セックスってこんなに気持ち良いものだと初めて知りました。セックスは愛する男性が喜んでくれる行為。相手が喜んでくれるのが女の悦びだと思っていた私が、その深い快感を味わったのです。
「美恵子さんのオマンコが気持ち良いから、もうダメだ。出そうだから外に出すね」
そうです,初めからゴムは着けていなかったのです。私はヒロシさんを信頼しきっていましたので、その気もありませんでした。
「良いの。私は産めない身体だから」
「え。どして?」
その後、私は動きを止めたヒロシさんに抱かれながら、忠節をした時の話をし、その時避妊手術もしたことを涙ながらに告白したのです。彼はじっと聞いてくれ、私をしっかりと抱き締めて、溢れる涙を口で優しくぬぐい取ってくれたのです。
「辛い話をさせたね。ごめんね。これからは私が美恵子さんを愛していくよ。この身体は今からは私だけのものにする。いいね。だから中に思い切り出すよ。いいよね」
「はい。貴女の女にして。思い切り出して下さい」
彼の動きが速くなり、それと共に深い悦びがわき上がり、彼が奥深くに精を放ってくれる時、私も登り詰めました。
ヒロシさんは一度果てても、ずっと私を求めてくれ、大きくなっては私を何度も登り詰めさせてくれたのです。抱き合いながら話をし、今までのことを二人で語り合い、二人の距離をどんどん縮めていきました。凄く楽しく素敵な時間でした。
こうしてヒロシさんとのお付き合いが始まりました。どんどん関係は深まり、毎週のように会いました。彼は平日も休めるお仕事(凄く特殊なお仕事)をしておられたので、私は有休を取って朝から夕方まで彼に抱かれました。私が落ち込んでいたら、彼は遠く離れた私の自宅近くまで来てくれ、車の中でたった15分でも私を抱いてくれて、私を慰めてくれました。私は仕事柄、数日間の研修で東京都か他の都市へ出掛けることがありました。その時はヒロシさんも休暇をとって一緒に逝ってくれました。夫婦のように二人で過ごしました。至福の時でした。
どんどんヒロシさんへの愛が深まれば深まるほど、これ以上は踏み込めない家庭持ちの辛さが同時に大きくなってきました。
それはお付き合いを初めて4年経った時ピークに達し、ヒロシさんへの思いを少しでも軽くしたいと衝動的にテレクラに電話をして、
「私を一万円で買って下さい」
と50代の男性に持ちかけてしまったのです。その男性とホテルに入りました。何とも失礼なセックスをしました。キス、フェラは拒否。その男性に愛撫されても感じない。涙が溢れるだけ。コンドームをしっかり着けてもらって挿入されても気持ち良くない。夫と同じ感触。直ぐに果ててくれてホッとする自分。余計にヒロシさんが恋しくなりました。残ったのはヒロシさんへの罪悪感だけ。直ぐに性病検査をして、大丈夫であったことを確認しました。ヒロシさんと会うためにです。
でも私はその後大きな間違いを犯しました。その男性とのことをヒロシさんに話してしまったのです。私の苦しさを分かってもらいたかったのだと思います。しかしそれは絶対言ってはいけないことです。ヒロシさんは絶句し、涙を流しながら悲しさを示しました。その後は上手く行くわけはありません。ヒロシさんが私から遠のき始めたのです。抱いてくれても以前のような求め方では無くなりました。彼は必死で私の心情を受け止めようとしてくれたようですが、やはり裏切り行為を許せなかったようです。当然ですよね。
疑心暗鬼となった私が例のテレクラに電話をした時、出たお相手がヒロシさんでした。お互い直ぐ分かりました。そこでヒロシさんからお別れを告げられました。私も受け入れました。お別れして15年。その後何人かの男性に抱かれましたが、どの男性からもあのヒロシさんから貰えた悦びと安らぎは貰うことは出来ませんでした。この年齢になってもう一度ヒロシさんに抱かれたいと思う今日この頃です。