私は以前、タクシー運転手をしてました。
スーパーの前で手を上げられ乗せた一人の女性、それが文子さんでした。
スーパーから文子さんの自宅までのわずか十分程の会話で文子さんは私を気に入った様子でした。
自宅前で文子さんを降ろすと、色々聞かれました。
月末、病院や銀行、買い物とか用足しにタクシー一日借りると幾らかかるかとかです。
私はそれに答えて帰りました。
それから毎月一回、私を指名してくれるようになってくれました。
定期検査の病院~銀行数カ所~買い物等、一日中文子さんに付き合うわけです。
旦那は数年前に亡くし、娘さんは同じ市内に嫁いでいるものの、あまり世話になりたくないらしく、息子さんは都会で結婚してる、免許を持たない独り暮らしの文子さんでした。
最初、文子さんの正確な年齢を知りませんでした。
だいたい60半ばくらいかな~と思っていました。
月一回とはいえ、タクシーを一日借りるくらいですから、お金に困ってる風はなく、むしろ裕福な部類の人です。
何回目かの指名をいただいたある日、病院と銀行の用が終わると、あとは用がないと文子さんを自宅に送りました。
半日しか借りていないのに、一日分の料金を払おうとした文子さんに、私は半分でよいと言いました。
すると文子さんは、タクシーは半日しか使わないけど、孝男さんには夕方まで付き合ってほしいからと言うのです。
わけもわからないまま自宅に上げられ、お昼などご馳走になってました。
そこで私は言われたのです。
「63才の婆さんだけど、私を女として扱ってみてほしい」
確かに小綺麗な文子さんでしたが、そうゆう対象で見ていないので困りました。
「あ、ダメならそれでいいの。それで指名やめるとかはないから。孝男さんにもご家族があるんだし、ダメならダメでいいの。おばちゃんの身勝手なお願いだから」
そのとき私は、タクシー運転手を辞めたくて、女房と冷戦中、やらせてもらっていなかったんです。
お昼の片付けをしてる文子さんの後ろ姿を見て、むっちりしたその尻を抱いてみたい、女房がしてくれない溜まったものを吐き出したい、そう思うようになりしたし、すでに一日分もらっていて、お客さんのご要望を無視するわけにいかない、そう考えました。
「文子さんのご期待に応えられる男ではないかもしれませんが…」
文子さんは振り向き、にっこり笑ってくれました。