お店のお客同士で知り合った彼。
仲良くなり、お客仲間で遊びに行くようになり、そして、付き合って欲しいと告白された。
お試しにと2回デートして、お付き合いを承諾した。
それからもデートを重ね、初めて抱かれたのは交際半年後。
彼はうちにも来訪し、お母さんと姉に挨拶した。(父は随分前に他界)
交際も一年になり、そろそろ結婚も視野に入れて考えないとと思った矢先に、彼に妻子がある事が発覚した。
彼が一人暮らししていた部屋は、実は単身赴任先だった。
私は彼には内緒で彼の奥さんに連絡をとり、刺される覚悟で会いに行った。
知らなかったとは言え浮気相手になった事を詫びると、奥さんは、こちらこそ馬鹿な旦那でごめんなさいと謝ってきた。
彼と待ち合わせた喫茶店で、別れを切り出した。
他に好きな男が出来たと嘘をついた。
彼は私を引き止め、それでも私が折れないと、最後の思い出に、とホテルに誘ってきた。
彼の本音が良く分かったので、通話のままにしていた携帯にもういいと告げた。
隣の店で待機していた、奥さんが入って来ると、彼は茫然としていた。
奥さんは離婚届けと慰謝料と養育費の書類を用意していた。
彼は私の前で奥さんに土下座して、離婚だけはしないでくれと哀願した。
奥さんは、ならば、と、騙されて時間を無駄にした私への慰謝料の書類を出した。
彼はサインしたが、私はそれを断り、その代わりに、カバンで彼を力一杯に殴らせてもらった。
カバンには、文鎮を5個程入れておいたので、彼は結構な怪我をしていた。
帰宅して、カバンに付いた彼の血を拭いているときに、彼との思い出が次々沸いてきて、めちゃくちゃに、泣いた。
大好きでした。
愛してました。
抱かれているときは幸せでした。
あなたの奥さんになるつもりでした。
さようなら。
奥さんと子供を大切に。
この大馬鹿野郎の最低男。
お前なんか今でも大好きだ。
馬鹿。