金曜日、午前10時、予めの予定通り、家のドアのノブを、そっと回す。鍵が掛かっている。唾を飲み込み、鍵を開ける。
「カチャ」と言う音が、俺の心臓を、ばくばくさせる。まだ、心の中では、俺の愚かな妄想で、あって欲しい。
俺は40歳、妻も同じ歳、そして共働き、子供はいない。1月のある金曜の夜、俺の寝具のシーツや毛布に、違和感を感じた。なんだろう?この感覚。妻は、すやすや寝ている。妻は木曜と金曜、或いは金曜と土曜が、休日な職場に勤めている。まさかな?それが、俺の妻の浮気を、疑うきっかけだった。玄関に、見知らぬ靴。血の気が退いた。ドアをゆっくり閉める。廊下には、スーツやネクタイ、そしてズボン下に、トランクス。震えながら寝室の前に。うめき声が聞こえた。静かに扉を開けていた。妻が見知らぬ男の物、丁寧にしゃぶっている。男の名前は、置かれていた鞄の中の免許証で、確認していた。携帯もスーツのポケットから、抜いてある。噴き出しそうな怒りを押さえ、二人の交わりを覗く。
「この布団で、いつも旦那に抱かれているかと思うと、嫉妬で頭がおかしくなる。ぁあ~俺のマラで、もっと泣いてくれ。どいだ?いいか?旦那とどっちがいい?」「いいよ~旦那よりいい~~~っ」
「行くよ~君の中にいっぱいだすよ~」扉を開けて 叫びながら男の横っ腹に蹴りを入れた。男は転げながら、射精した。妻は恐怖のあまりに、動かない。男は廊下から玄関まで、裸のまま走っていった。