続きです。細切れになってすいません。良かったらお付き合い下さい。忙しい日常に流され元妻との記憶も少しずつ薄れ始めた先月、突然警察から元妻が亡くなり話しが聞きたいとの連絡が入りました。警察では先月の私のスケジュールなどを聞かれましたが、結局死因などの詳しい情報は教えてもらえませんでした。その後元妻の実家へ連絡しようか否か迷っていた時に元妻の実家の母から元妻が亡くなったとの連絡が入りました。その時義理の母からは交通事故で亡くなったと聞かされました。こんなことお願い出来る立場ではないが渡したい物もあるのでお線香の一本でも上げに来てくれないか?との事でした。私は快諾し先週末に元妻の自家へ向かいました。実家へ着くと元妻のご両親が憔悴しきった表情で私を迎えてくれました。線香を上げよう仏壇に向かうとそこには結婚した頃の元妻の写真が笑っていました。その後ご両親が重い口を少しずつ開いてくれました。死因は交通事故では無く自殺との事でした。元妻と二人でよく通っていたひなびた温泉宿近くの山林で変わり果てた姿で元妻は発見されたそうです。宿の帳簿には元妻の字で私の名前と元妻の名前が書いてあり4泊5日の宿泊予定で3日目の朝、朝食を届けに行った所遺書を見つけ警察に届けたとの事でした。遺書は二通あり一つはご両親宛て、もう一つは私宛てでした。証拠品として一度警察押収された様で封は切ってありました。遺書には私に対して過ちの謝罪の言葉が切々と綴られいました。そして最後にこう書かれていました。「別れて分かりました、本当に愛した人はあなた一人です。本当にごめんなさい…そしてありがとう。少しでも一緒に居れて嬉しかった…もし、生まれ変われるのであればもう一度あなたと出逢いたい…ありがとう…」私は涙をこらえる事が出来ませんでした。なんて身勝手な女でしょうか?この時私はこの身勝手な女が愛おしくてたまりませんでした。あの時元妻の話しをもっと聞いてやれたなら…あの時元妻の気持ちを分かってやれたなら…あの時元妻の覚悟を見抜けたならば…そしてあの時美穂の事を許してやれたなら…今美穂は私の隣で笑っていた事でしょう…仏壇の写真の様に。果たして私の決断は正しかったのでしょうか?分かりません…一生答えは出ないと思います。ただ残酷な事実だけが永遠に私の心に焼き付き離れないと思います。明日美穂が逝ってしまった温泉に行ってきます。美穂の好きだったケーキと幼児の喜びそうな玩具を持って。