最近妻が私に隠れてメールを打つようなしぐさが目立ったので
悪いと思いながらも隙を見つけ携帯を盗み見た。
目に付いたのは一人の男とのやりとりだ。
その男に対してだけやたら妻が甘えたような子供のような口調で話しているのである。
会話の中身もかなり異様で、結婚してからも一流企業の管理職を勤めるプライドの高い妻からは想像もできない内容だった。
「ゆみちゃん、昨日は何回ウンチしたんだい。」
「3回だよ。」
「やわらかかった?かたかった?」
「ちょっとやわらかかったよ*^-^*」
「オムツはいてるの、今?」
「…うん」
「じゃあ、昨日僕が言ったとおりお漏らししてみた?」
「…うん、ちょっとだけ。」
「ちょっとだけ?全部お漏らししなかったの?」
「それははずかしいから」
「ゆみちゃんはもう赤ちゃんなんだよ。だから何にも恥ずかしがることないんだよ…今、してみようか、おしっこ?」
「それはできないよ…」
「ゆみちゃん、僕の言うことだったら何でも聞くって約束したんじゃなかった?」
「…うん」
「できないんだったら、もうメールもしないよ。するのしないの?」
「わかった…する。」
「じゃあ、おしっこしようか、シーって。」
「…」
「した?」
「…したよ」
「どんな感じ?」
「あったかくて…ふわふわしてる感じ」
「気持ちよかった?」
「うんきもちいい…でもちょっとこわい。ゆみがだんだん変態になっていくみたいで」
「怖くなんかないよ。ゆみはいま赤ちゃんになっていってるんだから。ゆみは本当のゆみに帰っていってるんだよ。お仕事に疲れてたって言ってただろ?それは本当のゆみじゃない自分を続けてたからだっていっただろ?」
「…うん」
「じゃあさあ、明日はお外でおしっこしてみよっか?会社に行く途中で」
「おしっこできそうなところがない。途中の道で」
「そっか、じゃあ今度会った時、公園で僕がさせてあげるよ」
「うん!」
「でもそのときはいっしょにウンチもするんだよ」
「…それはできない。」
「じゃあ、明日一人でおしっこだね。どっちがいい?一人でおしっこか、いっしょにウンチするか。」
「…いっしょにウンチする…」
「うん、じゃあ約束だよ。もう寝るよ。明日ね。あ、今日もたくさんお水を飲んで寝るんだよ。オネショしちゃったら正直に教えてね。」
「…うん、わかった」
妻の部屋の押入れをあさると奥の方に未使用の紙オムツがあった。
いまだに怖くて問いただせないでいる。