夫婦で製造メーカーの下請けをしています。
もともと妻には経理だけを手伝わせていたのですが、数人いた工員も手放さざるをえず、
昨年からは、仕入れや納品も手伝わせるようになりました。
妻を外に出し、零細企業の苦しい手の内を明かしたことで、更に受注が減り、
ほどなく、売上げの大半を占める得意先の営業に足元を見られ、この半年間は、
事実上、仕事と妻の体を引き換えにしているような状態が続いています。
以来、この男とは電話以外で話す機会がないのですが、半年前、
「納品には、必ず妻を1人でよこすように」
と電話口で露骨にそう告げられました。
当初から、言い含められたその意図は明らかで、
はっきりそうとは言いませんでしたが、口ぶりや言い回しから、
それまでにも納品にやった妻を、既に、何度か抱いた上での念押しだとわかりました。
私と7つちがいの妻は34歳。得意先の営業は私より更に幾つか年上で、
見るからに性格の悪そうな、不細工なダルマのような男です。
納品は隔週で月に2回。
道が空いていれば往復でも2時間とかからない距離ですが、短くて半日、
長くかかれば10時間近く帰してもらえない日さえあります。
すべて承知の上で、どうすることもできない私を気遣ってか、妻からもその話題に
触れたことはないのですが、妻も私も意識しないわけにゆかないほど露骨に、
胸や内股に、ひと目でそれとわかる小さな赤いあざを、いくつもつけて帰されたこともあり、
納品の日は、妻が戻り、帰宅して眠るまでのほとんど終日を無駄な会話を避け、
静かにすごすことが、お互いの暗黙の約束事となりました。
事業収入以外では返すあてのない負債を抱え、ほかに収入のあてのない私には、
今はどうすることもできません。
男に言われてか、時々極端に派手な下着を着けるようにもなりました。
心まで奪われたわけではないと信じることが、唯一の救いでしたが、
男から、できれば月の納品の回数をもっと増やすように言われてもいるようで、
このままでは、妻が、あの男の奴隷にされてしまうのではではないかと
不安でみじめな気持ちです。
できることなら、はやく新しい取引先に乗り換えてこの男と縁を切りたいと
切実に考えていますが、妻さえ耐えてくれるなら、もうしばらく涙をのんで
現状を維持して負債を減らしたいという気持ちもあります。
大企業相手の零細企業では、決して珍しいケースではないと思いますが、
よいアドバイスがあれば教えていただけないでしょうか。