別れた女房は、出会った頃は純真無垢だった。
勿論、処女で、キスさえも未経験だった。
付き合い始めて、その数ヵ月後には結婚という…電光石火のごとく。
白いパンティが似合う可憐な女性だった。
小さな胸、乳首がちょっと出ている…まさに、蕾って、あの事だろうな。
はじめてのフェラチオの時、驚いていた。
「これ…舐めるの?」
口に入れるというよりも、舌でペロペロしていた…。
そんな稚拙さも、よかった。
段々と慣れてゆき、女房のフェラチオは射精へ導くほどまでに至った。
「出る…。」
そんな言葉に、「出して…。」という優しい言葉も。
可愛い女房とは、毎晩のように抱き合った。
乳首の先をペニスに這わせたり、蟻の門渡りを刺激したり…。
女房の「女」の部分が開花した…。
しかし、ある時、燃え上がった女房の口から…。
それは、オレの名前ではなかった。
一字違い…そんなものではなかった。
全然違う名前。
ショックだった。
その場の雰囲気は一変し、女房は…俯いた。
「ごめんなさい…。」
女房の声は、涙を含んでいた。
そして、話しを聞いた。
相手とは…何と、遠く離れた京都に住む男だった。
「きっかけは?」
たまたま入ったレストランで、視線を感じたらしい。
ずっと自分を見つめている男性がいた…と言う。
「勿論、その時、直ぐに…じゃないわ…。」
女房は、自分から好きになる…というタイプではなかった。
相手から誘われると断れない…そんなタイプだった。
テーブルを立ったその男は、女房のテーブルの所で…。
偶然か意図的か不明だが、ハンカチを落としたらしい。
当然、女房は、そのハンカチを拾って、その男に…。
ありふれたイメージだ。
男は、自分の名刺を取り出して、女房に渡したそうだ。
そして、間違いはそこで始まった。
女房は、そんな名刺を受け取ってしまった…。
「電話をかけたのは…キミの方なんだろう?」
女房は頷いた。
オレは、女房に聞いた。
「何故、電話した?」
女房は、声にならない言葉を発した。
言い訳めいた悲しい声。
病気…かも知れない。
オレは、別れを切り出した。
そして、女房の反応を伺った。
「分かりました…。」
女房の決意は早かった。
別れを拒む事はしなかった。
だから、オレも、決意した。
女房は可愛い女だったが、ちょっと頭の弱いところがあった。
オレがいなかったら…きっと幸せにはなれないだろう。
そんな感も残しながら、オレは女房と別れた。
男って、結構わがままさ。
自分(亭主)の浮気は許せても、女房の浮気は許せない…。
今、女房はどうしているだろう?
その、京都の男とうまくやっているだろうか…。
恐らく、後に数回会っただけで、終わっただろう。
結局、そんなものさ。
オレも許してやればよかった…と思わないわけではないが。
しかし、名刺を渡されて電話をしてしまった女房…。
きっと、同じ事を繰り返すだろう…と推測しての、離婚だった。
同じような体験した人は居ないかい?