病院に担ぎ込む状況になりました。医師の診断によると、アルコール中毒
でなく、薬物の副作用の可能性があるとのことでした。とりあえず点滴をし
てもらい、同時に薬物検査のために尿を採取されました。本人がトイレに行
ける状況でないため、看護師さんが尿道に管を入れて採取してくれたそうで
す。その後、医師から、「奥さんは帰宅後、あなたとセックスをしたのか」
と二度も聞かれました。妻の病状とどんな関係があるのかと尋ねたところ、
医者は言いにくそうにしながら、看護師から尿を採取するために妻のパンテ
ィーを脱がしたところ、べったりと男性精液が付着していたという。
医者によると、最近、強い催淫剤が入った中国製のドリンク剤が出回って
おり、医師会からの情報によると副作用で障害を起こす者が増えており、
2008年だけで二桁台の者が精神障害の後遺症を発生しているという。医師の
判断によると、妻の症状はそれに該当するという。
私はとっさに妻はカラオケ店で集団レイプされたのではと思った。医者も
ドリンク剤を呑まされ、複数の男性と性交渉を持った可能性が高いと判断し
ているようだ。というのは、5時間以上たってもなお性器から精液が多量に流
れ出るということは、かなり大量の精液が注入されていないとありえないと
いう。
その2日後、検査結果が出たが、やはり催淫剤が多量に検出された。幸い、
後遺症は残らなかったようなので、妻にカラオケ店で起こったことについて
糺した。最初は「何もなく酔っぱらっただけ」と弁解していた。だが、パン
ティーに付いた精液のことなどで問い詰めたところ、カラオケ店で6人の男性
にレイプされたことを明らかにした。そこで現場にいた男性の名前を聞き、
年明け早々に、このうちの3人と会って、責任を追及し、訴訟する意向を通告
した。
相手方の弁解は「強引に犯したのではなく、合意の上でやったことで和
姦」であり、犯罪ではないというもの。「奥さんに聞いてもらえば判る」と
も付け加えた。もちろん、何の理由で呼び出されたか判っていたので、相手
方は言い訳の準備をしていたようだ。
「その証拠」として、持参してきたノートパソコンで、カラオケ店での状
況を撮した映像を見せられた。音声は入れていなかったが、目を覆いたくな
るような状況がそこでは展開されていた。集団レイプとの主張を取り下げざ
るを得ないような映像だった。いわんや、訴訟に持ち込んでも敗訴は確実と
いった内容だった。(続く)