みなさま本日は2本立てで書いてみました。ラスト・・・??
続き
俺はわざと車のパンフレットを見たりしながらリビングで寛いでいた。俺の
知る限り妻はタンス貯金など無いはずだ。保険を解約?何かを担保で借り
る?定期預金を解約?無理だ。印鑑・証書などは貸金庫だから。翌日の録画
を見るのが楽しみだ。それと、数日後の山下の顔を見るのも・・・少し興奮
して寝付けなかったが、翌朝の目覚めは良かった。通常通り出社し、部長か
ら明日、大宮支社に朝一で書類を貰って来て欲しい、段ボールで3箱だから
社用車で帰宅して構わないと言われた。7時に会社を出て走り出すと突然の
大雨、俺は車で助かったと思った。こんな時は電車も混み駅のタクシー乗り
場も列が延び・・信号で止まり何気に横を見ると、雨宿りしている女性・・
看護婦の叶さんだ。信号が変わり車を横に止め助手席に身を乗り出し窓を半
分開け名前を叫んだ。こちらに気づく彼女、手招きする俺。
俺「お帰りですか?送りますよ・・早く・・濡れますから・・」
叶「えっ?大丈夫です・・でも悪いですから・・すいません」乗り込む彼女
俺「突然ですもんね~雨。これ使って下さいタオル・・・あっ、入院してる
時はお世話になりました。なんか嬉しいな~」
叶「本当すいません、傘買うのも・・有り難うございます・・何もしてない
ですから・・何が嬉しいんですか?」
俺「怒らないで下さいね。正直・・俺・・叶さんの事・・・」笑い出す彼女
叶「笑っちゃ失礼ですよね・・冗談でしょうけど嬉しいですよ。」
俺「酷いな~冗談なんて・・退院したくなかったんだから~」
叶「あんな綺麗な奥様が居るのに、信用しませんから・・あっそこの駅で」
俺「まじめに良いですか?この後予定有ります?今から食事誘ちゃダメ?」
叶「予定は無いですが・・・何か企んでます?食事だけですよね~・・」
俺「お願いします。何も企んでないし、叶さんの知っている所で食事でも」
叶「じゃ行きましょうか!」
俺「ホント?有り難うございます・・何処がいいです?イタ飯どうです?」
叶「お任せしますよ。」俺は水道道路沿いの店に入った。
叶「おしゃれですね~。どれも美味しそう~お任せします・・」
俺「評判のサラダ・パスタ・前菜などを注文した」グレープジュースの俺と
ワインの彼女で乾杯。お互い色々な事を話した。彼女は32才でバツ1の独
身で出身は横浜、今は調布に一人で住んでるようだ。そして彼とは去年の秋
に彼の浮気で別れたらしい。俺も言える範囲で話すと、彼女は驚き真剣に聞
いてくれた。お互いのメアドと携帯番号を交換し店を出た。車内では彼女の
方から是非また食事をしましょうと誘われた。俺は真剣に彼女と付き合いた
いと思った。そして妻と別れたいと。帰宅するとダイニングに夕食が置かれ
ていた。俺は変な詮索をされない為に無理して冷めたおかずを食べた。妻は
俺としゃべりたくないようで寝室だ。翌日銀行で記帳すると昨日の日付で5
0万入っていた。実家に泣きついたか?昨夜のチェックすると、
妻「山下君メール見てくれた?・・・そうよ1週間以内に戻せるから・・
だって・・・何とかしてよ~なんで私だけ・・・お願い・・ばれちゃう
よ・・・明日取りに行くから・・・貸してくれるわよ・・」
実家ではないらしい、どうやら山下が金融で借りて時期をみて妻が何らかの
貯金を崩して山下に払うようだ。俺の金が引き出され元に戻って終わる予定
が、山下からのプレゼント。翌朝、車購入は進んでいると妻に言った。
午後、部長が専務に呼ばれた。そして夕方、三上から電話が有り飲む事にな
った。間違いなく山下の件だ。
三上「急にすまないな~・・・あぁ~疲れるよ~まったく・・・」
俺「どうしたんだ~何かあったのか~」
三上「何も聞いてないのか?山下の事・・・」
俺「山下~??また新規事業で何かやったのか~?
三上「あいつ間違いなく飛ばされるぞ。」
俺「何で?横領?」
三上「専務の紹介で縁談したろ、内密だけど。挙式の日程まで決まっていた
のに・・・あのバカ仕事中にラブホに行きやがった・・・」
俺「え~~~ラブホかよ・・・婚約者と?」
三上「それならまだな~・・・」
俺「エッ?違うの??」
三上「違うらしい・・ラブホに入る処と車のナンバーが映っている写真が、
婚約者に送られて来たらしい・・・ほんとバカ!会社の取り引きにも
影響するだろうな~」
俺「で、山下は?」
三上「部長と専務の部屋に行きとりあえず自宅謹慎。もし社長にばれたら
専務・部長・俺も危ないぞ・・・あぁ~」三上は普段より飲み疲れた
感じで別れた。自宅に戻ると妻は何度も携帯のチェックをしていた。翌日
出社すると、部長に呼ばれ営業の部長と山下が異動になる事を聞かされた。
部長は企画室、山下は北海道釧路流通事業所へ決まった。山下の出身は九州
だ。それが氷点下の釧路。終生遠島って感じだ。それも3日後だ。おそらく
山下は本社には今後戻れないだろうし、釧路営業所長も理由を聞かされて
面倒な奴が来ると思っているだろう。そして金融から借りた金の返済もしな
くてわならないし、結婚式のキャンセル料も少しは発生するだろ・・退社は
許されないはずだ。今度は妻に印籠を渡す番だ。俺は各カード会社にカード
紛失の手続きの電話をした。これで妻は財布の中以外で現金を手に入れる事
は出来ない。離婚届も以前から用意してある。
いよいよ最終章です。