やばい!あと少しでこの世は独裁者♭の思いのままだ!
誰か奴を倒せる者はいないのか!?
今日もレジスタンスの地下会合が開かれたが
いつものように結論の出ないまま終わろうとしていた。
議長が参会の合図を送ろうと立ち上がりかけたそのとき
隣にいた私の友人アフェッツオーソが私に気兼ねしながら
ボソボソッと呟いた。
「リンフォルツアンドの奥さんならなんとかしてくれるかもしれない・・」
静まり返ったシェルターの礼拝堂ではあったが
隣にいた私でさえ聞き取りづらかったその声を
地獄耳で評判のピアチェーレは聞き逃さなかった。
「アフェッツオーソよ、もう少し詳しく話すのだ」
もともと人前で話すのが苦手なアフェッツオーソであるが、
私に申し訳ない気持ちもあったのだろう、
さらに消え入るような声で呟きだした。
多少頭に血が上っていた私は彼の言葉をほとんど聞き取れなかったが、
要点をかい摘むと、私の妻♯が♭と交われば中和され
♭は消えうせるであろうということだった。
すなわち、もちろん私の妻も消えてしまうということだ!
怒りに震えた私が反論しようと立ち上がろうと机に手をついたその手を
何者かが捕らえた。それも一人ではなく数人の手が私を床に押さえ込んだ。
「んー!んーっ!」
もがく私などお構いなしにその議題は進められ
2万5千人満場一致で可決された。
私の妻にいったい何ができるというのだ!?
可決されるや否や屈強な精鋭部隊の数人が
私の住処目指して駆けていった。
確かに万策尽きてあとは独裁者♭のなすがままになるのを
指を咥えて見守らなければならない状況下で
一人の女の犠牲により数百億の人間が救われる可能性が
ごくわずかでもあるのであれば、それに賭けて見なければいけないという
その部分は非常によくわかるのであるが、
なぜ私の愛する妻が・・・。
鬼畜♭にいいように陵辱され、果てには命まで・・・。
そんな理不尽なことはない!
しかし当然私が邪魔立てすることを見越した当局は
私を一級犯罪者の独居房に閉じ込めた。
なんとかしなければ、なんとか・・・。
焦る私の目の前に、h