2ヶ月前、妻27歳が妊娠した。そして、1ヶ月前妻の浮気が発覚した。
相手は、国立大学医学部卒業のインターンだった。
しかし妻は、「この子は、絶対あなたの子よ。私自身があるわ」と、言い張
り私もそれを信じて今回限りということで許した。
そして、この連休妻の実家で法事があり、私も出席した。
法事の後の会食も終わり、親戚の人もみんな帰っていき、私も少し飲みすぎ
て横になった。のどの渇きを覚え、台所へ行くと、妻とお義母さんが後片付
けをしていた。
「あなた、おなかのほうは大丈夫なの。」
「うん、順調よ。」
「そう、それならいいけど。でも、もういやよ。あんなゴタゴタ。」
「ごめんなさい。」
「本当に、産んでも大丈夫なのね。」
「うん。勘だけど。」
「そう、だったらいいけど。でも、お母さん、時々彼の子だったらいいのに
って思うことがあるの。彼、国立大学卒業で、医者でしょ。やっぱり、子供
のためには、遺伝子って大事よね。」
私は、黙ってもう一度寝たふりをした。