先日から妻が体調を崩し入院しています。
32歳になる妻はもともと華奢な体つきでここ最近の暑さと過労と睡眠不足が原
因のようです。
妻の入院に伴い、子連れで夕食だけは妻の実家でお世話になっています。
先週末は私が飲酒したせいもあって子連れでそのまま泊まっていくことになり
ました。
喫煙する私にあてがわれた部屋は妻が独身時代に使っていた六畳の部屋でし
た。
その部屋は最近は使われていないようで雑然としていましたが、
全員が寝静まった頃合に興味半分で色々漁ってみました。
恋人時代に着ていた洋服や友人と交わした手紙、写真などがありました。
他にお気に入りだったバンドを録画したVHSテープなどに交じって
背表紙に「kanako」と小さく妻の名前が書かれたminiDVテープを見つけまし
た。
他の多くは几帳面な妻の性格らしく整然と整理されていましたが、
そのテープだけが背表紙の端にペンシルで薄く「kanako」とだけ書かれていま
した。
筆記の字体からして妻のものではなさそうですし、もちろん私も記憶にありま
せん。
何よりも妻の独身時代には無かったはずの、
新品に近いようなminiDVテープがとても奇妙に思えて
とりあえずそのテープをポケットに入れて自宅に持って帰りました。
数日後、子供が寝た後にDVカメラを繋いで再生してみました。
それは職場旅行のビデオでした。撮影日は昨年の9月となっています。
丁度、妻が一泊の職場旅行に行った頃合です。
そこには私も見たことあるような妻の職場の顔がチラホラ映っていましたが、
妻が主体になることが多く、妻の口調からも撮影者の男と親しい間柄であるこ
とが伺えます。
妻はカメラの前でやや緊張気味ながらも、照れる風でもなく
滞在先のペンション街を同僚と無邪気に散策しています。
やがて夕食時の宴席が映され、二次会おぼしきカラオケスナックの様子もあり
ました。
場は盛り上がっている風でしたが、シーンは突如の室内になり、
カメラがテーブル上に固定されたようなシーンになりました。
やや照明の落とされた洒落た室内のソファに浴衣姿の妻が座っています。
やや上機嫌な妻は飲みすぎているようでもあります。
そこで初めて撮影者も映像に現れました。
妻と同級生おぼしき銀行員のような印象の男で少なくとも私が知らない男でし
た。
男はしばらくガサガサとカメラの向きを調整してはやがて妻の横に並んで座
り、
しばし妻と小声で話して、妻が小さく頷くと軽く抱き合いキスを始めました。
私は息を飲みました。
うっすらと想像していた嫌な方向に二人が展開したからです。
そんな私の心情には一切関係なくテレビの二人は関係を進めます。
キスしながらも徐々に体をまさぐろうとする男とは対照的に、
妻は落ち着かない様子で、男にカメラを止めるようにお願いするそぶりです。
しかし男は適度に酔った妻相手に適度な返事を繰り返しては愛撫を続けまし
た。
やがて男は浴衣を脱ぎ捨てブリーフのパンツ一丁になりました。
男はキスを止めると虚ろな目の妻と見つめあいながら
妻の手首を掴んでそっと自分の股間に導きました。
妻はしばしカメラと男の顔を交互に見てはとまどっている風でしたが、
男が妻の耳元で何かを囁きながら股間をゆっくりと上に突き出すと
妻はあきらめたかのように男の胸にゆっくりと唇を這わせ、
股間に這わせた指に力を込め縦になったペニス力強く握り締めました。
その様子はこの二人の関係がビデオの前で行われること自体は初めてでも、
その関係だけは以前から行われていたことを十分に思わせる雰囲気でした。
少なくともその時私が知り得たずっと以前から。