妻が知り合いの飲み屋でバイトするようになって、半年経ちました。
最初の頃は閉店後、すぐに帰ってきてましたが、
2週間位前から金曜、土曜日辺りの帰りが遅くなり始めました。
話を聞くと、店のママとお客の3人で食事をしていたそうです。
妙な胸騒ぎを覚えた私は昨日、妻の居る店を見張ることにしました。
自分の車では気付かれる恐れが在るため、近くに住む弟の車を借り出して、
店の前の居酒屋の駐車場に車を止めエンジンを切って待ちました。
1時半頃、店の明かりが消えママと妻が出てきました。
ママはそのまま車に乗り込み、妻と別れて帰途に着きました。
残された妻は自分の車には向かわず、携帯でメールを打ち始めました。
すぐに軽自動車が現れ、妻が乗り込むと発進しました。
私は気付かれない様に距離を開けて、後をつけました。
前の軽はインターの方へ向かっていきます。
インターの近くにはラブホがあり、軽はその中へ入っていきました。
私は車を道路上に止め、走ってホテルの駐車場に入りました。
軽から男と妻が降りるのを見つけ、男の車に蹴りを入れました。
テールランプが割れて破片が飛びます。
「何するんだ」男が声を荒げ、私に掴み掛って来ました。
「オレのこと教えてやれよ」私は妻に向かって云いました。
その声は自分でも驚くほど冷静でした。
男も妻を見ていました。
男も私が誰か悟ったのでしょう。
力の抜けた男の手を振り払うと、妻の頬を平手打ちしました。
妻はその場に座り込むと泣き始めました。
男の方は俯いたまま黙ってました。
「免許証出せ」私は男に向かって言いました。
何か言いながらも男は免許証を指し出しました。
妻のバッグから紙とペンを取り出すと、名前と住所を写し、仕事場を聞き出して免許証を返しました。
私より10歳も若い男でした。
男の職場は市役所だそうです。
「アンタ結婚は」男に問い掛けました。
「いいえ」小さく答えました。
「これから修羅場だよ」そう言って私は男の肩を叩きました。
男の体は震えてました。
私は男に命じて、車の鍵と免許証を側溝の隙間から捨てさせ、妻を連れて車に戻りました。
家に帰った私は何も言わず妻を抱きしめました。
何も言え無かったと言ったほうが正しいと思います。
妻は泣きじゃくりながら謝り続けてました。
これから妻とどうなるのか分かりません。
ただ明日、市役所にお話に行こうと思ってます。
今は相手にダメージを与えることだけしか考えられません。