本当は出張じゃ無いのに一泊二日の出張と言って家をでた。仕事を終え9時に帰宅「ただいま」と二階に聞こえる様に言った、玄関には見慣れない靴が一足。二階からの返事はないそうとう焦っているのだろうガタゴトと物音が聞こえる。ダイニングテーブルには二人分の食器とビールの缶が2本。ちなみに妻は酒が飲めない体質だ。ここまで予測が的中するとは思っていなかったので驚いた。さぁ、修羅場へ行こうかと思い、階段へ向かうと、血の気の失せた顔をした妻が降りてきた。「あなたどうしたの?出張じゃあ…」妻の言葉をさえぎるように「商談がすんなり進んでね、それより…僕に何か言う事あるんじゃないの?」と僕。ここで妻は逃げ切れないと思ったのか、その場に泣き崩れ言い訳を並べはじめた。謝って来ると思っていたのでちょっと腹が立ったがあくまでも冷静を装い事情を聞いた。何でも相手は前に妻の勤めていた会社の同僚で、最初はメールで愚痴を言い合うぐらいだったがいつの間にか深い仲になったようだ。「男は?」と聞くとベランダに居ると言うので行ってみるとどうやって降りたんだか知らないが姿が無い。妻に電話を掛けさせ「今から来い」と言うと最初はごねていたが「会社に乗りこむぞ」と脅すと観念したのかおとなしく従い十数分ごに靴下姿で現れた。二人に正座をさせ今後の事話あった。離婚をにおわすと妻は必死になって相手の男に責任を押しつけ「離婚だけはゆるして…」と泣く。さっきまで愛し合っていた相手に言う言葉とは思えない。男は開き直り「どうすればいいんですか」などと言っている。とりあえず昨日はまた連絡するといって男を帰した。さいごに「逃げたら会社に怒鳴りこむぞ」付け加えておいたので多分逃げはしないだろう。男を帰したら妻が「愛してるのはあなただけ」と言って絡んできた。女は怖いなと思いながらいつもより激しく妻を愛した。男からは取れるだけ搾り取るつもりだ。