ラクダにまたがった妻はそのイレギュラーな動きにメロメロになってしまった。
サファリランドの体験コーナーなので見物人が大勢いる中で
妻はイってしまったらしい。自ら腰を振ってこすりつけ
ラクダにさらなる振動を要求する妻。男どもはそんな妻の痴態に釘付けになり
女どもはそろって軽蔑の眼差しを妻に浴びせ、子供たちは妻のおかしな動きと
嬌声に大爆笑の渦を巻き起こし、ラクダに乗る補助をする係の若い男は
困惑顔で恥ずかしそうに俯いていた。そのうちサファリランドの職員らしき
人間が3人やってきて妻にラクダから下りるように説得しはじめた。
しかし妻は聞く耳をもたない。完全にイってしまっている。
「なにするのよ!私とラクダの仲を引き裂こうとしてもそうはいかないんだから!
このままずっと愛されたいのよ!ちょっとやめてよ!乱暴すると警察呼ぶわよ!
いやー!あたしのラクダちゃんを返してー!!」
遂に引き摺り下ろされてしまった。無理やり引き摺り下ろされたので
着衣が乱れ色っぽい姿を大勢の前にさらけだすこととなってしまったが
ラクダに恋してしまった妻はそんなことにはおかまいなしで
職員達に押さえつけられながらもなんとかラクダのもとに行こうと
暴れまわっている。ボロボロになりながら妻はとうとう職員達に
引きずられるようにして事務所に連れ去られてしまった。
恥ずかしさのあまり草むらで身を潜めて一部始終を見守っていた私であったが、
自分が夫であると名乗り出る勇気もなく、ただただ妻の帰りを待った。
3時間ほどして釈放された妻の顔は以外にもスッキリとした面持ちで
(こいつ・・・職員たちにいろいろと慰めてもらいやがったな・・・)
と私を悶々とさせることと相成った。
これはノンヒクションでありここに一切の脚色はございません。
あしからず。