小中学校が一緒の同級生。しがないサラリーマンの子である俺は、金持ちの
ボンボンのその子を、何かといじめていた。そいつは進学校へ、俺は工業高校
へと進学。地元では有名な企業に入社でき、汚い仕事でも、喜んで働いてき
た。商業高校を出た、同期入社のかわいい娘をくどき、やっとの思いで結婚も
できた。貧しいけれど平和な生活が10年。子供も二人できた。子供の学校な
どを考えると、もっと収入は欲しいが、どうしようもない。
社長の息子が、入社してきた。大学出た後、同業他社で修行し、親の会社に
戻ってきたのだと言う。上司として挨拶するその男を見てびっくりした。昔い
じめたボンボンだ。でも、彼は何もなかったように俺を懐かしがり、仲良くし
ようといってくれた。正直、その言葉に感謝した。出産で退職した女房も、彼
の引きで、事務所にパートとして再雇用され、生活は楽になった。俺の給料も
少しよくなった。
先月、彼の奥さんが、出産で里に帰った。留守の間に遊びに来いと言われて
彼のマンションへ行った。隠しカメラで撮ったビデオを見せられた。風呂の、
鏡の裏にカメラが仕込まれていたようで、鏡についた水滴で、鮮明ではない
が、中の様子はよくわかった。
彼は裸で湯船に腰掛、若い女が、彼の股間に顔をうずめ、一生懸命フェラを
している。女の背中がこっちを向いており、尻の間に割れ目がちらちら見え
る。女房が嫌がるので、俺はまだ、フェラをしてもらった経験がない。金の力
で女を自由にできる彼をうらやましく思いながら、画面に釘付けになった。
彼の顔が少しゆがみ、女の肩をつかんだ。彼が女の口の中に発射したらし
い。女はそれを飲み込んでいる。飲み込むその動きで刺激されるのか、彼は二
度三度と放出した。そのたびに女がちょっと顔を引くが、彼の竿を口から離す
ようなことはなく、出されたものを全部飲み込んでいる。やがて彼が立ちあが
った。今度は女が湯船に手をつき、腰を上げた。彼が鏡の水滴をふき取ったの
で、開いた脚の付け根にある割れ目が、はっきりと見えた。その上の菊座もそ
れとはっきり見える。思わず口笛を吹いてしまった。彼もうれしそうに笑って
いる。
彼がその女の後ろに回り、彼の身体で女の秘所が隠された。彼の一物が女の
身体の中に、吸い込まれていったようだ。女があえぎはじめた。最初は気持ち
よさそうにあえいでいた女が、気持ちよすぎてだんだん疲れてきたようだ。で
も、一度出している彼はなかなか終わろうとしない。女が半分泣きながら、早
く終わりにしてくれと頼んでいる。あえぎながら泣いているその声に、聞き覚
えがあるような気がした。
彼の腰の動きが急になり、二度目の放出が終わったようだ。満足した彼が女
の尻をポンポンとたたいた。それが合図だったのだろう、彼の竿を口で清める
ため、振り返った女の顔が、彼の身体から離れ、一瞬もろに見えた。俺の女
房。こういうときは、鏡に水滴が邪魔をする。確かめようと身を乗り出したと
きには、女の顔は彼の身体の影。彼の身体を清め終わった女が、疲れ切って湯
殿にへたり込むところで、ビデオは終わった。下を向いたままの女の顔が、彼
の足の間に見えたが、女房かどうかはっきりしない。
復讐だ、そう悟った。小さいときいじめたのが、いまこうして復讐されてい
る。俺の給料を少し上げ、パートと称して女房を雇い、楽な生活に慣れさせ、
抜け出せないようにしてから、徐々に金の力で女房を自由にして、はきりとは
わからないようにしながら、でも確実に俺の女房を弄んでいるのを見せ付けて
いるのだ。でも俺は女房の顔をはっきりと見たわけではない。疑心暗鬼のまま
だ。
また見たくなったら遊びに来いよ。今度は正面から嵌めているところを見せ
てやるから。彼女はいい女だぞ、そう彼はいいながら、俺を送り出した。家に
帰っても、女房の顔を正面から見ることはできなかった。はっきりさせてしま
ったら、安楽な生活は失われてしまう。でもこのまま、女房が彼の玩具になっ
ているのを、黙認するのもつらい。今は、あのビデオの女は、女房に面影が似
ているだけの女だと思うことにして、自分を慰めているが。