これこそ修羅場と言わずしてなんと言う。
朝の静寂は破られた。
日曜日。午前7時10分頃。マンションの自宅玄関から外に出ていた娘(10)が突然、家に入るや否や、「ママ!変な人がいきなりズボン脱がそうとしてきた!!」と言ってきた。
家内(34)「えぇ!!その人どこ?逃げた!?」と即座に臨戦モードに突入しパジャマ姿のまま家を飛び出していった。
その時、俺はまだ布団の中に入っており、娘の「パパも早くいってよ!!」の声にけしかけられ、とりあえずジャージの上下だけ慌てて着てすぐさま家内の後を追いかけた。
家内に遅れること3分、4分。するとマンションのエレベーターの前で叫び声が聞こえる。家内の声だった。
「待てよ!逃げるな!!」みたいに聞こえた。
するとすでにマンション住人の顔見知りの樫本さんという初老の男性とその息子が携帯電話で警察に連絡をしている様子だった。
そして近づくまで階段の外壁で見えなかったが、接近するにつれ俺の視界に取っ組み合う人の気配が感じ取れた。
するとマンションのエレベーター前で家内が1人で犯人の酔っ払い男(37)と取っ組み合い、まさにレスリング状態になっていた、、、、。
きっと犯人と揉み合ってるうちに自然と脱げてしまったのだろう。家内の尻は半ば丸見え状態となっており、パジャマとパンティがズレ落ちてアナルとワギナ、その周辺の陰毛が丸見えだった。。。
家内「ちょっと!お父さん!!」と、何ボーっと突っ立ってんだと叫ばれ、「お、おう!」と俺は犯人逮捕に加勢した。
そして5分後、自転車の警官が1人到着すると、あとは雪崩のように続々と警官があらわれパトカーも2台きた。
それから警察は娘へのイタズラ未遂に重ねて家内との取っ組み合い(暴行?傷害?)で犯人を検挙しようとしていた。
家内から聞いたところ、警察の取り調べで「パジャマや下着を脱がそうとしてきたか?」「性器を指で触れてきたか?」などと質問をされたらしい。
防犯カメラの映像ではしっかりと犯人と取っ組み合う映像が残されており家内のパジャマが取っ組み合いながら脱げてきたが、それを犯人の意図によるものか不可抗力なのかを知りたかったそうだ。
だが正直者の家内は、私への痴漢の意思は感じられなかった。ただ取っ組み合いの中、あられもない格好になった。と証言したそうだ。
そして犯人はそのまま逮捕され、後で聞いた話では痴漢系の最大刑罰である略式起訴罰金30万を命じられたと言っていた。
犯人の様子を聞くに、普段は真面目で犯罪歴などないが、当日は完全に酩酊状態だったとのこと。それから酔いが覚めてからは取り調べに素直に応じ改悛の嬢も見られるとの事だった。
全てが落ち着いてから俺は家内を叱った。「相手が包丁持ってたらどうするつもりだったんだ!?それに尻まで出してみっともない!樫本さんに全部見られてたぞ!!」と俺は言った。
それ以来、なぜか樫本さんが俺を避けるようになったのは気のせいだろうか。
樫本さんは樫本さんなりに、大の男が2人で突っ立って警察に電話するだけで、家内に加勢せず、ただでモロマン見てしまったことを後ろめたく思ってるのかもしれないな。。。。。
以上。