DVDは動画を収録可能なCDの次世代光ディスクDigital Video Discとして企画 された。しかし用途はビデオだけに限定されないことから、その名称には疑問 の声もあった。しかし、略称のDVDが既に一般に定着していたことから、規格 決定時には同じDVDが略称となるDigital Versatile Disc(デジタル ヴァーサ タイル ディスク、Versatile=多用途の)と命名されたものの、最終的に略称 は設けずDVDが正式名称であると決定された。一般にはDVDフォーラム設立時に Digital Versatile Discと正式に定められたと言われているが、他方でDVD フォーラムはDigital Versatile Discを正式名称とすることに合意していない という主張もある。
いずれにせよ、現在は「DVD」という名称が普通名詞として市民権を得てお り、一般的に「DVD」という場合は、DVD-Videoを指すことが多い。上記の理由 からDVDがDigital Video Discの略称であるということは正式には間違いであ るが[1]、正式名称を「DVD」としたことと、先の映像記憶媒体であるビデオ テープから「V」と言えば「Video」を連想すること、開発に至った経緯などか ら[2]、Digital Video Discも俗称として限定的に使用される。なお、DVDプ レーヤーやDVDレコーダーなどの場合、パソコンとは異なり、基本的な用途が ビデオと同様なので、“Digital Video Disc”の意味合いの方が強い。