もうすぐ2年間の単身赴任が終わる4
結婚して18年、子どもは中学生のため単身赴任していましたが
家庭に不満もなく、単身赴任先での仕事も順調でした
月末はバタバタするだろうと20日に送別会をしてくれた
部下が次々に隣の席に座ってきて、ねぎらいの言葉をかけてくれた
最後に花束を受け取り
俺はタクシーを拾うため外に出た
「支店長!」
振り向くと派遣社員の佳織だった
「少し時間ありますか?」
よく仕事のことで相談にのったりしていましたが
昨年9月に突然、告白されました
一回り年下の31歳でバツイチの佳織
最初はからかっているのかと思い、軽く流していましたが
お世辞でも冗談でもなく「本気です」と健気で
仕事も真面目に取り組む彼女が愛おしくなり
「寂しい時に食事に行ったり、なぐさめて欲しい」と言われ
遂に関係をもってしまいました
一線を越えてからも携帯に電話をしてくることもなく
秘密の関係を続けてきました
「支店長との思い出に私をどこかに連れて行ってください」
時間もなく、金曜日の仕事明けに佳織と車であてのない旅になりました
二泊三日の小旅行でしたが、良い思い出になりました
今日、佳織はどんな顔をして会社にくるのだろうか
名残惜しい気持ちばかりが募ります