若い頃は、フラれた元カノにいつまでも未練があった。
新しい彼女ができてもなお、フラれた元カノに未練があった。
それは、人を好きになる気持ちは、フラれたからといって変わらなかったからだ。
俺は、俺がフラれて終わる恋愛が多かった。
でも、一人だけ、俺の方からフッた元カノがいる。
それは、フラれて大失恋した後、俺に優しくしてくれた女をつい口説いて、男女の関係になって付き合った元カノだ。
スレンダーな女が好みの俺なのに、ちょっと口説いたら嬉しそうな顔をしたからヤレると踏んで、好みでないムチムチ系の女を抱いた。
抱いて驚いた。
色白のもち肌に割れた赤い果実、それはとても美しく、白い肌と鮮やかなコントラストを描いていた。
広げれば、これぞオマンコという左右対称な綺麗なマンビラで、変色は一切無く瑞々しく濡れていた。
入れると、俺のチンポを包み込んで、最後の一滴まで搾り取ろうとうねり、全身が痺れるほどの気持ち良さを感じた。
あんなにいいオマンコを持った女は初めてで、その身体に夢中になった。
でも、俺の態度に愛情が無く、元カノを傷つけていたのだ。
セックスが終わるまでの俺の態度と、終わった後の態度が違い過ぎると言われた。
「私の身体が目的なんでしょう?」
そう言われて、ハッとした。
この元カノと結婚したいかと己に尋ねたら、答えはノーだった。
見た目だけでなく、ウジウジして優柔不断な性格も全く好みじゃなくて、良いのはセックスだけだった。
「ごめん・・・身体目当てだった・・・」
「やっぱり・・・私は好きだったのに・・・」
「身体は今までのどの元カノうより最高だったんだ・・・ごめんよ・・・」
「ハッキリ言ってくれてありがとう。さようなら・・・」
「元気でな・・・さようなら・・・」
交際期間は1年だった。
去ってゆく元カノの後ろ姿はとても寂しげだった。
恋愛と失恋を繰り返して、やがてスレンダー美人の女房と巡り合って結婚、二児を儲けて、今、俺はアラフィフになった。
今は、フラれた元カノより、フッた元カノの方が忘れられない。
フラれた元カノとは、フラれたときより楽しかった時の思い出が残っている。
唯一、フッた元カノは、楽しかった思い出は思い出せず、ただ自分勝手な始まりと終わり方に、良心の呵責だけが残っている。
別れたときの元カノの寂しそうな後姿は今でも覚えている。
唯一フッた元カノの、次の彼女が女房だった。
スレンダー美人というよりは、華奢で可愛いお嬢さんという感じだったが、利発的で明朗な性格がとても気に入った。
あの元カノほど凄いオマンコではなかったけれど、逆にその方が長持ちした。
女房とは楽しい日々を過ごし、心身ともに夢中になって、もう、この人しかいないと思って、交際1年半で結婚した。
結婚式の最中、フラれた元カノの事は思い出さず、唯一フッた元カノの事を思い出し、悪い事をしたなと反省する心が芽生え、元カノが幸せでいてくれることを祈った。
年齢を重ね、振り返ってみると、フッた元カノの幸せを願うのは、きっと、元カノが幸せでいてくれないと、自分が幸せな結婚をしていることが後ろめたいからなんだろうと思う。
幸せの祈りなど、祈ったところで元カノには何の力にもならないわけで、結婚式で元カノの幸せを祈るなんて、詭弁でしかなかったなと、今更ながらに思う。
今は、元カノにひたすら謝るしかない。
もし再会できたら、
「身体目当てで弄んで、ごめん・・・」
と言いたい。
今頃になって過去の行為に悩んでも、仕方が無いのはわかってるけど・・・