結婚生活は2年半、どうしても義実家が無理で、色々揉めて、子供をつくる前に離婚した。
元妻が嫌いで別れたんじゃないから、かなり辛かった。
でも、どうしても無理だったから、後悔はしてない、つもり…
別れて暫くは、テレビで美味そうなものを見ると、元妻と食べに行きたいなと思い、奇麗な場所があると、元妻と行きたいなと思ってた。
色んな思い出を共有したいのは、やっぱり元妻なんだなと思った。
そして夜寝るとき、お休みのキスをする相手がいないし、寝る前のセックスもない。
独り、膝抱えて練る寂しさを噛みしめた。
元妻はイイ身体してたっけなあ。
仕事から帰ると、たいてい元妻の方が先に帰ってて、お帰りって迎えてくれた。
夫婦っていう家族の最小単位で、日常を共に生活しているけど、セックスは、その日常の中にある非日常な秘め事。
恋人時代のセックスとは、ちょっと違うような気がする。
たまに会う相手と、性愛の渇望から交わるんじゃなくて、いつも一緒に居る相手と、飽きもせず、お互いの身体の温もりと匂いを感じ合いながら、愛おしく交わる。
元妻のオマンコ、いつまでも舐めていられたな。
愛液も美味しかったし、中に舌をこじ入れるのも好きだった。
クリ転がしも楽しかったし、あんなふうに思い切り大股開いて、h図かしい部分を全開にして舐めさせてくれるなんて、夫婦だなあと感じた。
俺のチンポだって嬉しそうに舐めてくれたし、チンポって、汚いイメージあるのにね。
俺に抱かれて、気持ちよさそうに喘ぐ元妻、もう二度と抱くことはないんだな。
元妻と別れて1年くらいは、元妻と話したいことや聞きたいことがいっぱいあって、もしかしたら訪ねてくるかもと思い、元妻と暮らした部屋で、寂しく独り暮らした。
でも、元妻の思い出がありすぎて辛くなって、環境を変えるために部屋を出て行った。
部屋も住む場所も一新して、元妻を諦めて、忘れる努力をした。
それでも時々、2人でしようとか言っていて、してなかったことを1人でやったりすると、元妻のことを思い出して、目が潤んでしまう。
離婚して3年、俺は転勤希望に手をあげた。
三十路になって、心機一転、元妻と偶然にさえ出会うことのない遠方の新天地で、新しい一歩を踏み出そうと思った。
引っ越して2年の部屋を出て、この街を離れる前に、最後に一目その姿を見たくて、元妻の職場の前に行ってみた。
元妻が夕闇の歩道に現れて、足早に駅方面へ歩いていった。
さりげなく後を追った俺は、元妻の後ろ数mまで近づき、足を止めた。
元妻の左薬指に、俺の時とは違うゴールドの指輪が光ってた。
俺は、荷造り途中のアパートに戻り、一部荷を解いて、元妻と嵌めていたシルバーの指輪を取り出し、翌日、元妻と初めてキスした河川公園に行って、川に指輪を投げ捨てた。
川面に広がる波紋に、
「さよなら…幸せになるんだぞ…」
と呟き、波紋が消えたのを確認して、思い出の河川公園を後にした。
これで前を向ける…元妻の事は忘れられる…心からそう思えた。
そしたら、止まってた時計が動き出したような気がした。