先日、妻が実家の法事で幼稚園の集まりに行けなかったので、僕が仕事休んで行って来ました。
息子と一緒に先生の話聞いて、帰るとき園庭から、
「セリカちゃーん。」
という声が聞こえました。
思わず振ったら、女の子を追いかけてる君がいました。
となりの組にいたの見かけてたけど、誰だかわかりませんでした。
あの名前、再婚相手との娘さんにつけたのですね。
君との結婚は、僕が25歳、君が23歳、まあ、ちょっと早かったのかもしれません。
僕が大学4年で、君が短大2年の時に出会い、恋に落ちて、僕が君の19歳の処女を貰って、少しずつ性感を君の身体に刻み込んでいきました。
君は、交際2年もすると、覚えた性感に夢中、
「お嫁さんになったら、こういうこと、毎日できるんだね。」
まるで逆プロポーズ、そこまで言われたら、プロポーズしないわけにはいきませんでした。
性感を覚えたての23歳の新婦は、中で感じることはあっても、中で逝くことはできていませんでした。
でも、既にクンニで逝くことを覚えてた君は、夫婦という関係に安心したのか、どんどん淫らになってゆき、ついに中でも逝くようになりました。
清純そうな短大生だった君が、身を捩って淫らに喘ぎ乱れる姿は、日常の君しか知らない人には想像できない痴態でした。
そんな二人を襲ったのが、東日本大震災でした。
僕らには直接的な被害は少なかったですが、君の親戚が原発から逃げてきました。
君の実家だけでは受け入れきれず、結婚2年目の僕達が住むアパートにもやってきました。
2LDKのアパートに2家族、向こうは小さな子連れ、子供優先と言われて寝室を奪われ、僕たちは北の物置にしていた部屋で寝ました。
避難所に行って欲しいというと、親戚を見捨てる奴は一族じゃない、出て行けと言われました。
僕が家賃を払うアパートなのに、僕がアパートを追われるとは理不尽でした。
君は彼らに何も言えず、お金まで取り上げられ、夫婦の財産に手をつけて生寿司を出前したことに堪忍袋の緒が切れて、僕はブチ切れました。
途中から事の次第は録音してましたので、離婚は僕が有利に進み、君と君の親戚はアパートを出て行き、君の実家は夫婦の財産を弁償、夫婦生活は僅か2年で破綻しました。
その後も、何度か君やその親戚がアパートの周りをうろつき、君が予備として実家に置いてた合鍵を使って、親戚が侵入を試みたので、警察のご厄介になってもらいました。
彼らは、もう他人だというのに、僕から金をせびりに来ていたので、危ないなとは思っていましたから、アパートに現金や通帳などは置きませんでした。
被害届を下げて欲しいと元妻の実家から言われたので、示談金100万を要求しました。
僕はその示談金でアパートの引っ越し代、新しいアパートの敷金礼金を賄い、君の前から消えました。
その後僕は、30歳で今の妻と再婚、生まれた息子と、君の娘が同じ幼稚園でした。
「芹香」・・・それは、僕と君が、女の子が生まれたら付ける予定の名前でした。
元妻が娘さんの名前を叫ばなかったら、気がつかなかったと思います。
君は娘さんに夢中で、僕に気付きませんでしたね。
お互い様だけど、あれからもう10年以上過ぎましたから、ちょっと老けましたね。
僕は、君に声はかけられませんでした。
愛してましたが、もう、赤の他人です・・・