忘れられない女がいる。
それは最初の結婚相手の元嫁だ。
優しくて、しおらしい女だった。
「勝手に好きになりました。ご迷惑でなかったら、付き合ってください。」
まだ19歳だった元嫁から言い寄られた。
薄幸そうで垢抜けないけど美人で、守ってあげたくなる可憐さもあった。
男を知らない華奢な女体を俺に預け、恥ずかしそうに女陰を晒した。
今も忘れない元嫁の処女喪失…
元嫁が成熟したばかりの女体を初めて晒した男になれた歓び。
初めて男に女陰を晒し、覗かれ、触られ、舐められ、羞恥と快楽の狭間に揺れた。
イキリ起つ生の男根でズブズブと処女膜を突き破られ、墓の痛みに耐えつつ、愛した男と一つに結ばれた感激に涙した。
その時の元嫁の初々しさ、恥じらい、反応、見せた奈美だは俺しか知らない。
その後、何度も俺に抱かれ、女の悦びを知っていった元嫁…
俺26歳、元嫁22歳で結婚して夫婦となり、愛する俺の愛撫、クンニに悶え、男根で女穴を掻き回され、暑い精液を注ぎ込まれる快楽に酔い痴れた。
元嫁にとって、俺とのセックスは夫婦の愛情表現になった。
唇を重ねて舌を絡ませ、俺の肉欲に女陰を委ね、男根を味わい自らの肉欲も満たした。
結婚2年が過ぎた頃、息子が生まれた。
家族3人、裕福ではなかったが幸せな日々だった。
息子が2歳の頃、二人目を妊娠、元嫁は公園で息子を遊ばせていたが、ちょっと目を離した隙に息子は野良猫を追いかけて公園の外へ走り出した。
元嫁は慌てて追いかけたが、息子は車に撥ねられて亡くなった。
ショックで元嫁は流産、全て自分のせいだと塞ぎ込んで鬱になった元嫁は、自殺未遂を繰り返し、俺は仕事で元嫁を監視できないから、結婚生活は無理だと義両親が元嫁を引き取る形で離婚した。
交際2年半、結婚生活5年半、元嫁との8年が終わった。
25年前の話だ…
俺はその後、亡くなった息子と生まれてこなかった水子を供養し、元嫁を想い苦悩の日々を過ごしていた。
離婚一年後、元義両親から、元嫁は自然豊かな山村にある療養所に入ったっから、新しい人生を歩んでほしいと言われた。
俺は、35歳の時に、ずっと慕ってくれてた27歳の売店の娘さんと再婚した。
彼女は、俺が息子を失い、元嫁のお腹の子を失い、そして元嫁も失ったことをリアルタイムで見ていて、何かと心配してくれていた。
アプローチされた時、年の差を気にしたがあまりにも一途に思いを伝えられ、受け入れた。
彼女は処女ではなかったが、男慣れしていなくて新鮮だった。
男慣れしてなくても女陰は開発済みで、俺の男根を受け入れて悶えた。
コンドームを嫌い、中に出してとささやかれた。
心底俺を求める彼女に根負けして、交際1年半で再婚した。
再婚して、新婚旅行から帰った数日後、元嫁が自ら人生の幕を閉じたと聞かされた。
「君が再婚したせいじゃない。娘は君の再婚を知らないで亡くなった…」
と言われたが、タイミングからして、俺の再婚を悲観したとしか思えなかった。
俺を待っていた元嫁を、俺が裏切ったんだ…
元嫁がこの世を去って、22年が過ぎた。
今嫁との暮らしも長きに亘り、子供も成人したが、今も元嫁のことは忘れられない。
どんなに時間が過ぎようとも、忘れていくなんてことはない。
元嫁とのことは、俺の中では解決していない。
元嫁と過ごした8年間は、ずっと忘れないで、辛い気持ちを抱えたまま生きてきた。
時間に解決なんかされていい女じゃない。
元嫁は、俺にそれだけのことをしてくれた。
そんな元嫁に、俺はそれだけのことをしてしまった。
元嫁の二十三回忌にあたり、ここに思い出を書き綴る…