私はバツイチで、今の妻と27年前に出会いました。
きっかけは間違い電話です。この話を聞かれた人はみなさん「ウソや!どうせQ2とかやろ!」と言われます。
当時、私は38歳、最初の結婚が離婚して一年くらい経っていました。離婚の手続きが済み、住んでいた戸建てを売り払いました。それらの事情で実家に寄生(笑)していました。
実家は炊事洗濯を母がやってくれたので気楽だったのですが、次のステップに移るには制限が多いです。そこで久々に1人でアパートを借りて暮らし始めました。27年前の5月でした。
電話番号も新しくなり、暮らしに必要な家電も全て新しくして気分一新で暮らし始めました。
離婚のショックで私はもう女性とは縁は無いだろう、結婚生活を維持出来ない男など女性は見向きもする訳は無い、と思っていました。
しかし、下半身はそんな修行僧のような気分と裏腹に毎日悲鳴を上げていました。
そこで、当時一部で「流行」していた交際誌に出会いました。ご存知の方は多いでしょうね。携帯電話が出始めた頃でした。交際誌でご夫婦とそれ以外の中を繋ぐには、まるで文通のように手紙を交際誌の発行元に送って、会いたい人からの返事を待つという今では考えられない辛抱の要る方法で行われていました。
ただ、携帯電話が出始めてきて「直電コーナー」が出来ました。個人情報保護なんて観念は存在していませんでしたね。自分の電話番号(携帯、家電を問わず)を明記して「やりたい男性達」の思いが2ページ前後にズラーっと並んでいました。私ももちろん(笑)利用して何人/何組かの方とお会いして、いわば無責任な性欲処理を続けていました。
再婚はしたいけれど、また相手に裏切られたら嫌ですから、性欲だけに走っていました。
風俗には行きませんでした。体を売り物にしている女性とセックスするのは嫌だったのです。随分と身勝手な言い草ですね(笑)
直電コーナーには通話可能な時間を書いていました。直電コーナーに申し込んでから交際誌が発行されるまで約2ヶ月前後、交際誌を買い自分のメッセージを確認したら、それから毎晩ドキドキする訳です。
離婚した時は2人目の子供が産まれてすぐでした。その前の半年以上セックス無し。その後も直電コーナーでご夫婦と機会が持てるまで約半年、通算1年以上体力溢れる38歳はセックスレスで鼻から精子が垂れそうな日々でした。
直電コーナーで声をかけていただいたご夫婦と3Pをした時、私の事情を簡単にお話したらご夫婦ともとても同情していただきました。
少し年上の方でした。今で言う「寝取られ」状態を楽しまれるご夫婦です。奥様がとても優しく接してくださいました。私は生まれて初めて泣きながらセックスしました。心も体も受け入れられてセックスしたのは何年も無かったので。
その後何度か色々な人達とセックスしました。
そんなある日の夜、電話が鳴りました、家電です。「こんばんは♪ 元気ー? あのさ来週ね。」 女性の声です。え?誰?
すみません今日こちらジュークと申しますが、どちら様でしょう?
「えっ・・・、あれ? ○○○でしょう? なんで? あっ、ごめんなさい・・・」
妻が(その時は見知らぬ人)間違えて友人に電話したのでした。市外局番を押さずにかけた番号は私の番号とほぼ同じでした。
妻は当時24歳、少し西の大都市から大阪へ色々あって転居して来て、近くに知った人も居ない場所で一人暮らしを始め数ヶ月経った頃でした。
この背景は後で知った話です。私は自分の電話番号を言い、間違えて電話しておられますよと言いました。
恐縮しまくりで妻は電話を切りました。
ところが、数分してまた電話が鳴りました。出ると妻です。
どうされました? 「良かった。奥さんとか出られたらどうしようかと思った。いえ、あの、お声がとても優しかったので、
もう一度聞きたくなったので・・。あっ、ごめんなさい。」
いえいえ。私、独身ですので(笑)。
「いえ、あの、さっき怒られ無かったし、良かったと思って」
大丈夫ですよ(笑)暇やし(笑)。
変わった女性が居るもんだなと思いました。
「本当にすみませんでした。さようなら」。
いえいえ、さようなら。
ところが、さようなら、で終わりませんでした。それから2週間くらい経った土曜の夜、妻からまた電話が鳴りました。番号ディスプレイを見るとこの前の番号でした。
「あの・・・。熱が出て・・・。」
えっ? 大丈夫ですか?
「近くにお医者さんとか知らなくて・・・」
風邪かな? 薬飲んだら?
「あの・・・。心細くて(涙声でした)・・」。
ご実家に連絡したら? (妻の実家はそれほど遠くは無い場所です)
「親は・・・。無理なんです・・・」
大丈夫? 寝た方が良いよ。
「私・・このまま死んでしまうのかな・・・」
何!何言ってるの!ダメやで!
「あの・・、助けて・・・」
えーっ! 何! どうすれば良いの !
「ここへ来てください・・・」
えーっ!見ず知らずやで!あかんやろ!
「他に誰も近くに居ないんです・・・」
行ったら怖い人出て来た、とか違うやろね?
「ち、違う・・・。動けないの・・・」
当時、私は離婚、特に幼い子供2人を取られたショックもあり、別にいつ死んだって構わないと思っていました。直電コーナーからの電話でも少々胡散臭くても会いに行って、相手が来ないとかやばい人だったとかもありました。
なので、妻の救命依頼にも応じるつもりでした。
家は○○市やね? ほな、今から車で行くわ。近くに着いたら電話します。(私は離婚後、お金の余裕が有りセルラーフォンなんかを持ってました)
妻の顔も姿も知りませんでした。妻のアパートの近くに着いて電話をかけてアパートまで誘導してもらいました。
大阪近郊のゴミゴミしたあまり環境の良くない事で有名な(そこら辺の人、ごめんなさい)市の都市計画なんか全く無視して建てられた小さなマンションの2階でした。
鬼が出るか蛇が出るか?の気分で呼び鈴を押しました。「ジュークです・・・」。ガチャり。
ドアが開いて、そこに妻が立っていました。
可愛いーーーーー!!! 私の好みの「身長160センチより少し小さく、丸顔で目が大きく、少しふっくら」の女の子がニコニコしてます。
大丈夫なの?
「まだ熱っぽいです。でも体がカチカチでだるくて・・・」
当時、私は体をほぐすマッサージとか経絡とかを勉強してましたので、体調不良を緩和するマッサージもそこそこ心得ていました。
そこで邪心無く、これは本当に下心無く、妻にマッサージをしてあげると提案しました。
妻も妻で、全く警戒心無く受け入れました。
私は見た目が自分で言うのも何ですが「優しさと穏やかさを絵に描いた」感じ。森の中を呑気に散歩している熊さん、みたいに見えたそうです。
妻に床のカーペットにうつ伏せになってもらい、肩、背中、足、ふくらはぎ、腕、と念入りに揉み解してあげました、心を込めてね。
1時間以上かけて一通り済んだら「あー、体が暖かくなりました♪ 」
後で続きを書きます。