この話は2年前の実話です
当時 私49歳 嫁50歳
私の裏に古い二階建てのアパートがあります
ほとんどが高齢の一人住まいです
そこへ70歳くらいのお爺ちゃんが引っ越して来ました
たまたま居合わせた嫁に挨拶をされ 買い物場所やゴミ捨て日を教えたそうです
私もそれから時々顔を合わせる事がありました
腰の低い好々爺って感じの人でした
何度か話をするうち 絵を書く事が趣味だと聞かされました
お茶でもと誘われ 部屋へ上がると 壁に数枚の絵が
場所は分かりませんが 素人と思えない素晴らしい絵に見えました
お上手ですね~
いや~まだ初めて10年くらいですよ
退職して趣味で始めましたと言ってスケッチブックを私に
そこには 女性の絵が数点 描かれていました
うん この服装?
お気ずきですか 失礼ながら奥様を描かせて頂きました
えっ妻がモデルしたんですか?
いえいえ私が勝ってにです 申し訳ありません
いや~でも どうやって
何度かお会いしてるうち 覚えてる範囲で画いたんです
妻は知ってるんですか?
いえ私が勝ってに画いたものですから
よかったらこれ貸して貰えませんか 女房に見せますから
老人は はいどうぞどうぞと言ってくれました
パートから帰った嫁に絵を見せると
まあ~だあれこの人
お前だよ ほら裏のアパートの爺さんだよ画いたのは
へえ~凄いね 服は私のだけど 美人に画いてある
女房は大喜びで
後でお礼 言わなくちゃね。