元妻と別れたのは、もう15年も昔のこと。
離婚原因は、俺が種無しだったこと。
最初の1年は二人でラブラブするために子供は作らず外出ししてたけど、結婚1年過ぎて子作りを始めたけど、元妻は妊娠しなかったんだ。
俺、元妻に隠れて病院に行ったよ。
もし、元妻に原因があっても別れないけど、俺に原因があったら、俺が身を引くと決めてね。
なぜか、それは、俺には兄貴がいて甥っ子がいるけど、元妻は一人娘だから。
元妻が産める身体なら、子孫を残さないとね。
元妻には泣かれたよ。
あんなに泣きじゃくってた元妻を初めて見たよ。
それだけ愛されてたんだなと思ったよ。
俺と別れたくないと言ってたけど、元妻の幸せが俺の幸せだという俺の気持ちを元義父母が汲んでくれて、元妻を説得してくれた。
そして、新婚旅行をしたように、離婚旅行をして別れた。
二泊三日の旅行中に、元妻の荷物は全て義父母が運んで、旅行が終わったら離婚届を出して、元妻は実家へ帰った。
元妻と出かけたのは、東北にある温泉だった。
高速を降りてから、30分以上走ったんじゃないかな。
途中、長い登坂車線があって、それが終わると温泉街の入口だった。
温泉街の真ん中を川、と言うか沢と言うか、急流の河川が流れてて、橋の向こう側にも旅館が立ってた。
山間に突然現れた温泉街だった。
以前、テレビの旅番組でやってて、いつか行ってみたいね、って言ってた温泉街だった。
温泉街の奥の方にある旅館に泊まった。
夫婦最後の度だから、豪勢に決めた。
部屋に通され、仲居さんに声をかけられた。
「ご夫婦お二人でご旅行ですか。いいですね。」
「ええ、これから子供が生まれたら、なかなかこんな旅館には来れませんからね。」
と言ったら、元妻が哀しそうに笑ってた。
部屋付きの露天風呂に入り、元妻を抱き寄せた。
愛しかった。
この度が終われば赤の他人、でもそれは元妻の幸せのためだった。
湯船の中で、唇を重ねた。
当然のように勃起し、元妻が握ってきた。
湯船に手をついて立った元妻を後ろから貫いた。
反り返る元妻の背中、吐息が漏れ、湯が波打つ…
元妻の乳房を後ろから抱えるように揉みながら、腰を振った。
湯が波音を立て、元妻が喘ぎだした。
その艶めかしい声が次第に大きくなっていった。
ここは露天風呂、どこかに聞こえているかもしれなかったから、
「続きは後でしようや…」
と言って、元妻と離れ、股間を洗って部屋に入った。
そして、旅館内をぶらついた。
売店でコケシを売っていた。
そこの温泉の名前が付いた、伝統コケシだった。
夕食は、部屋ではなく別な食事用の個室で食べた。
かなり豪華で、美味い地酒が出てきた。
舌鼓を打った後、部屋に戻ると布団が敷いてあり、俺たちは裸で抱き合った。
元妻の股を割り、クンニした。
いつか、この愛しい肉穴には、俺以外の肉棒が入って、子種汁が注がれる日が来るんだと思うと、哀しかったし、愛しい元妻が孕まされることが悔しかった。
でも、それは俺が望んだ元妻の幸せじゃないかと、精魂込めてクンニした。
元妻のフェラ、愛情が伝わるフェラも、いつか、元妻を孕ますことができる能力を持つ肉棒に愛情を注ぐんだと思うと、胸が軋んだ。
元妻が跨ってきた。
肉棒が肉穴に呑み込まれ、ゆっくりと元妻が腰を振った。
切なそうに眉間にしわを寄せ、残り少ない肉棒を味わう機会を愉しんでいた。
腰の動きが激しくなり、元妻のヨガり声が部屋に響いた。
おそらく、隣室や廊下にも、元妻の淫らなヨガり声が漏れてたと思う。
それほど、元妻は本気で感じていたし、元妻の中にぶっ放した時は、更に大きい声でヨガった。
旅館にある和風のバーに行って、少し飲んでから寝た。
翌朝も、朝っぱらから元妻の肉穴に精液を注いだ。
昼間は、温泉街を散策した。
途中、蕎麦屋があったから、俺はニシンそばを、元妻は山菜そばを食った。
旅館街の裏手には、古い住宅街があって、山間の温泉街の路地裏を散策すると、まるで昭和時代にタイムスリップしたような、古い映画が撮れそうな風景だった。
そしていよいよ、夫婦最後の夜がやって来た。
この夜、正常位でたっぷりと元妻の肉穴を味わって、大量の精液を注ぎ込んだ。
暫くボーっと天井を見つめ、昨夜も行った和風のバーで?んで、思い出話をした。
出会った頃、恋してた頃、元妻の処女膜を破った日、結婚式、ふざけてバカやってた新婚時代、二人の思い出は、この先もう増えることがない。
だから、語り尽くせばそこでお終いだった。
その夜、抱き合って寝た。
翌朝、俺は500mlのペットボトルくらいの小振りな温泉コケシを買って、
「これ、お前との思い出にするよ。」
と言った。
途中、サービスエリアで昼飯食って、戻ったのが午後2時半頃だった。
市役所に行って、二人で離婚届けを提出し、駐車場へ向かうとき、死後の会話を交わした。
「いろいろ、世話になったね。幸せになるんだぞ。送っていくから乗れよ。」
「ううん。乗ると、降りられなくなるし、もう、夫婦じゃないから…大丈夫。私、ひとりで帰れるから。あなたも、新しい形の幸せを掴んでね。元気でね…さよなら…」
「ああ…さよなら…」
俺は、ひとり市役所を後にした。
バックミラーには、手を振る元妻が映ってた。
それがだんだん小さくなって、他の車の陰になって、消えた…
部屋に戻ると、元妻の荷物が消えていた。
テーブルには俺あての手紙が置いてあった。
感謝の言葉と、「私を愛してくれてありがとう。あなたを愛して良かった。」とあった。
俺はそれを胸に抱いて、膝をゆっくりと由香につけて、泣いた。
俺は、元妻の幸せを見届けたかったけれど、元妻の幸せを信じて、前を向くためにアパートを出て、携帯を解約し、仕事も辞めてあの街を離れた。
縁もゆかりもない街で、同業に就き、新しい携帯を契約し、心機一転前を向いた。
そして、15年の時が流れた。
この15年の間、元妻は俺のことを思い出しただろうか。
きっと、一度はアパートの前まで行ってみたことだろう。
そして、もう俺がいないことを知り、俺がどんな行動を起こしたか悟っただろう。
お互い、そこまで知り合えてた夫婦だったから、元妻も俺が出した答えに納得したはず。
俺は、この15年の間に、十数人の女を抱いてきた。
旦那が単身赴任中の人妻が一番多く4割を占めた。
男に相手にされないデブスがその次で、3割を占めた。
それ以外は、飲み屋のママやチーママ、シングルマザー、中出し体験をしてみたいだけの女子大生などだった。
安心して中出しを経験できるというのが、俺の魅力だった。
そして今、四十半ばの俺は、ある女と再婚して1年になろうとしている。
今の妻は、俺より年が3歳上で、内田有紀に似たかなりの美人だが、今から26~28年前、内田有紀に似た芸名で、AV女優をしていた。
俺が大学生の頃、タイへの世話になった、あの頃にしては美人過ぎるAV女優だった。
その後、某社長の愛人で妊娠、その後も某大物俳優のマゾペットになって妊娠、高額の口止め料を貰ってお払い箱になっていた。
父親の違う二人の子供は、すでに成人していて、東京に暮らしていた。
新しい妻との暮らしは楽しい。
でも、時々元妻を思い出す。
俺は、元妻の幸せを祈り、独りで生きる道を選んだ。
それは、俺の本当の幸せは、元妻がいなければ成立しないと思ったからだ。
色んな女と爛れた関係を続け、恋をせず、独りでいた方が気楽だと思って生きてきた。
元妻が幸せでいてくれれば、それでいいと思った。
でも、その時、元妻との別れを思い出した。
「あなたも、新しい形の幸せを掴んでね。」
元妻の願いを、俺は叶えてないじゃないかと…
その時、遊びだと割り切って付き合ってた、内田有紀に似た今の妻と向かい合ってみた。
お金の苦労はしてないけど、訳アリの人生を歩んだ今の妻、おそらく、俺に抱かれるのは、妊娠しない中出し快感のためだけじゃないだろうというのは感じてた。
他の人妻たちとは、キスが情熱的で、本気のセックスだと感じてた。
だから、下の子が進学で上京したら、一緒に暮らそうと言ってみた。
今、幸せになっている元妻を確認したい。
そして、俺も新しい幸せを掴んだことを報告したい。
でも、それは後ろを振り返る行為だ。
15年、俺と元妻は別々の道を歩んできた。
俺と元妻の歩む道は、交差しない。
だから、このままでいいんだと、言い聞かせて生きている。
元妻が幸せになっていると確信しながら…