「懐かしいわね。」
「ああ、懐かしいな。」
20年前、まだ恋人だった頃に妻と初めて婚前旅行をした旅館を再び訪れた。
部屋に付いている露天風呂に浸かり、妻の女体を愛撫した。
「子供達だけで、夜、大丈夫かしら・・・」
「今更気にするなよ。せっかく子供達が送り出してくれたんだ。楽しもう。」
妻を抱き寄せ、布団に横たえ、浴衣の帯を解いて前を肌蹴た。
白い肌と美しい乳房が露わになり、俺の男根が疼き出した。
何年も抱いてきた女体だが、いつもと違う場所で見るとやけに艶っぽかった。
俯瞰してじっと妻の女体を眺めていると、
「ちょっと、何じろじろ見てるのよ。」
まるで、早く抱いてと言わんばかりだった。
膝の間に割って入り、見慣れた女陰を広げると、既にヌルヌルで糸を引いていた。
「お前、すっかりその気じゃないか・・・」
「そりゃそうでしょ、20年前を思い出しちゃうもの・・・」
20年前、付き合って1年の記念に恋人だった妻を旅行に誘った。
俺26歳、妻22歳だった。
若い二人が選んだのがリゾートホテルではなく、和風旅館だった。
奮発して露天風呂付きの部屋を取った。
到着してすぐ、明るいうちから二人で風呂に浸かって乳繰り合っていたら、向かいの草むらがガサガサ動き、熊でも出たかと思ったら覗き男で、かなりエロい行為をしていた俺達は慌てて部屋に入った。
後ほど仲居さんと若女将が謝りに来たが、そのとき、何かサービスさせてほしいと言ったので、仲居さんにお願いして、俺達のセックスをビデオ撮影して貰った。
第三者の前でセックスするのは恥ずかしかったが、二度と会うことも無い仲居さんなら大丈夫だろうと思った。
乳房を揉み、乳首を吸い、女陰を舐め、女核を弾き、若かりし恋人だった妻が、本来は秘め事であるはずの交合を見られて羞恥に満ちていた。
俺の男根がヌチャヌチャ音をたてて女陰を往復し、うら若き22歳の乙女が性の快楽に耐え切れずビデオカメラの前で耽溺していく恥じらいに溢れた行為は、当時の妻を興奮の坩堝へ引きずりこんでいた。
三脚に固定した映像と違って、目線が動くのでかなり淫らな映像が撮影されたが、最後、俺の射精を撮影した後の仲居さんは、顔が真っ赤になっていた。
「お若いのに、激しさよりも愛情を感じる営みでしたわね。まるでご夫婦のようでした。ご結婚なさるとお似合いですわよ。私、目の前で男女の営みを拝見したの初めてで、興奮してしまいました・・・」
そう言い残して仲居さんは出て行かれた。
このとき、俺は妻にプロポーズしたのだ。
20年ぶりに訪れた懐かしい旅館で、今度は夫婦として露天風呂に入り、布団で愛し合う。
20年前を思い出し、恥じらう妻・・・そして、20年前に永遠の愛を誓いあった部屋で心と体をあの頃に戻した。
見慣れた女陰も、慣れ親しんだ男根も、あの頃お互いを貪るように交わりあった愛しさに帰ってひとつになった。
「はあ~、はあん、あぁ・・・あなた・・・あぁ・・・」
長年連れ添った妻がこんなに美人だったかと、不思議ととびきりのいい女に見えてドギマギした。
ブジュッ、ブジュッ・・・溢れ出す女汁の淫靡な音が部屋中に響き渡ると、妻の喘ぎ声が大きくこだました。
「中に、今日は中に頂戴・・・あぁ~~~あぁ~~~うぅ~~~っ!」
家で子供達に気兼ねして静かにヨガッていた妻も、旅館の一室で遠慮なくアクメに身をゆだねた妻の声は、おそらくは廊下にまで漏れていただろう。
ドクドクと妻の女陰に注ぎ込まれた精液は、もしかしたら新たな生命を宿す可能性もあったが、その時はもう中に出さずにはいられないほど深く愛し合っていた。
余韻から冷めた妻は、俺に抱きついて、
「ねえ、最近私達、心が離れていたわよね。何となく、寂しくて、もう、終わりが近いのかなって感じてた・・・」
「ああ、実は、最近妙に綺麗になったお前に、もしかしたら男がいるんじゃないかって疑い出してたんだ。」
「あなたこそ、どこかに女がいたんじゃなくて?私は、負けるもんかとおめかししてたのよ・・・」
「いや、実は危ないところで堪えたんだ。やったらお前とは終わるって感じたんだ。だから、一線は越えていないよ。」
「そのせいで私・・・最近綺麗になりましたねって、誘われていたのよ。パート先で・・・何度も・・・でも、あなたとの歴史、あなたとの未来、捨てられなかった。抱かれたら、私あなたに黙っていることはできないと思ったから・・・」
俺達は、お互い何となく夫婦の危機を感じていたのだ。
昔愛し合った場所で、初心に帰ってもう一度愛し合うことで、お互いに修復しようとしたのだ。
旅に誘ったのは俺だが、妻もそれを感じていて、俺についてきてくれたのだろう。
翌朝、朝起ちの俺に跨ってクイクイ腰を振る妻を見上げて、やっぱり綺麗になったよなと妻に惚れ直した。
下から突き上げて、揺れる乳房を楽しんだ。
やっぱり、この女と一生を共にしようと誓った。
アクメから覚めた妻は、
「私・・・実はね・・・この旅・・・お別れの旅なのかと思ったのよ。初めてあなたと朝を迎えた旅館で、あなたとサヨナラするのかな・・・なんて・・・あぁ、良かったぁ・・・」
夫婦の危機を乗り越えた俺達は、今、毎日のように体を重ねるようになった。
子供達に聞こえているかもしれないが、両親が仲がいいのは恥ずかしいことじゃないから思い切り励んでいる。
中年夫婦の修復劇の一幕でござった。