妻は私の願望に、まんまと陥った。
私58歳、妻54歳。
欲望は有るのに、マンネリのせいか!途中で中折れしてしまい、ここ最近は互いに背を向けて寝る事が多く成った。
妻も性的不満が溜まって居るのか、何となく不機嫌な日々が続く。
ある日に、何かの雑誌で、出張マッサージを目にした。
私の頭に浮かんだのは、妻がマッサージ師の手に掛かり性感帯を刺激され喘ぎ身悶える姿。
私以外の男性の物で激しく身震いしながら悶え乱れる姿。
考えれば考える程に後先の事より、その事ばかりの思いが強く成って行く。
「なぁ、年齢のせいか最近、肩凝りと腰痛が酷くなり、今度マッサージを受けてみようと思うんだが?」
妻にボソリと話してみる。
「私も、ここの所、凄く疲れてるわ」
「マッサージを出張でやってくれるらしいよ」
等と話してみると、妻も何の疑いも無く「貴方が頼むんだったら私も一緒にお願いしようかしら」
と言う。
翌日に私は雑誌に載っていた所に電話を掛けてみた。
電話口の相手は物静かな口調で応対をしてくれた。
私は思い切って、私の願望も話してみた、相手は事務的に要望が有れば、と答える。
ただ、施術しても妻が、その気に成らなければ、との返事。それはそれで結構と答える。
内容は、もし妻が、その気に成れば最後までとも伝え、それを隠しカメラで録画するとも伝えた。
相手も構わないと答える。
約束の日が来た。
私は部屋の和箪笥の上にカメラを仕掛けた。
現れたマッサージ師は、私達と同年代の電話口と同じに物静かな男性だった。
その雰囲気に妻も少し安心したかの様子。
居間でお茶を飲みながら暫く話しをして、いよいよマッサージに入った。
浴衣に着替え、初めは私から始まる。
約一時間程の時間を掛け終わると私は相手に耳打ちをした。相手も無言のまま軽く頷く。
私はカメラを作動させ部屋を出る、入れ代わりに浴衣に着替えた妻が入る。
二十分ぐらい過ぎた頃に私は部屋を覗き妻に取引先から電話が入り一時間程外出するから、と告げる。
何の疑いも無い妻はマッサージを受けながら、気をつけて。と答える。
マッサージ師に宜しくと告げると目線を併せる事なく頷く。取引先とは全くの嘘で私は一時間あまりを近くの書店で過ごした。
家に戻るとマッサージ師は既に帰ったとの事、妻の表情は何となく上気した雰囲気。
敷かれていた布団も片付けられて居た。