外食でもしようかと近くの居酒屋に行った、店内は予想以上に混んで居て待ち時間があった。
どうしようか妻と話して居ると、同じ様に待って居た夫婦らしきカップルから良ければ同席で!と声を掛けられた。
言葉に甘えて私達は同席をお願いし、相手のご主人に勧められるまま、四人ともほろ酔いかげんに成る。
妻も相手のご婦人と意気投合をしたみたいで、かなり陽気にはしゃいで居た。
妻達がトイレに立ち戻ると席を変わり妻は、ご主人の横に当然、私の横には相手のご婦人が座る。
他にも大勢の客が居る中で酔った勢いもあり話や態度が怪しい方向に向かい、四人とも変な興奮を覚え始める。「もっとお話をしたいから、此処では何ですから場所を変えませんか」
と言い出す。我々三人も、それが意味する言葉を暗黙に理解していた。
ご主人の横に座る妻を見ながら確認すると
「私は構わないけど」酔いで赤らんだ顔を更に赤ら返事をする。
よく見てみるとテーブルの下で、ご主人の手が妻の手を握りしめていた。
「直ぐ近くに、ゆっくり出来る場所がありますから」
ご主人は言うと伝票を手に取り立ち上がる、居酒屋での会計は相手に任せ私達は、車の後部座席に乗り込む。 車は僅か数分でガレージの中に滑り込み、無人のフロントで部屋を選びエレベーターで部屋に向かった。
部屋の中はいやが上ににも雰囲気を盛り上げる照明が、仕切られた壁にドアが有り開けてみると更に部屋が続き、そこにも大きなダブルベッドが真ん中を占めていた。
四人とも、それぞれに興奮をしていて冷蔵庫から取り出したビールを一気に飲み干し更に酔いを高めようとする。四人は無言で顔を見合わせながら最終確認をした。
「それじゃ、そろそろご主人は向こうの部屋を使って下さい、私達はこの部屋で宜しいですね奥さん」
相手のご主人が口火を切った。妻達は、その時ばかりは下を向き顔を合わせようとはしなかった。
「奥さん、それじゃ私達は向こうに行きましょうか」
私は興奮で多少震え声で言う、奥さんも黙って頷く。
「それじゃ」私は妻の方を見ながら言うと妻は俯いたままで何も答えなかった。
「ご主人!ドアは開けたままで」
相手のご主人の声に私は頷き、奥さんと部屋に入る。
ベッドからは相手のベッドは見えなかった、向こうから見えないソファーに並んで座り
「何分にも初めての事なので緊張しますね、奥さんは経験あるのでしょうか」「私も初めてです」