先輩の家で私達夫婦と四人で晩御飯を食べた、ワインが程好く四人を酔わせ少し気が大きくなり、先輩が
「今からAVを観よう」
と言い始めた。
奥さんは、そんな先輩を押し止めるが、先輩は私の妻に向かい同意を求めて来る。
巧く断れない妻は赤く火照った顔を更に赤らげ笑いで誤魔化している。
先輩夫婦の寝室に誘われ四人は寝室に入った。
深夜に近かったが二階には年頃の子供がいる為に音量を絞り映像が画面に写し出される。
最初は何となく照れながら観ていたが、妻も次第に画面に引き込まれて行っていた。
最初はベッドの端に腰を下ろしていた妻もベッドに上がり脚を折り曲げて座っている。
ふと気付くと先輩の奥さんは、化粧鏡の前の椅子に腰を下ろし上気した表情で画面を観ていた、先輩もゆっくりと座る位置を移動させ妻の側にいる、何となく妖しい雰囲気に包まれ始める寝室。
私も妻達に少し背を向ける態勢で画面と奥さんを見比べる、時折に視線が合い、その度に恥ずかしげに俯く奥さん。
画面から女優の喘ぐ悩ましい声に嫌が上にも淫靡な空気が流れ、音量を絞った中で四人それぞれの息遣いも聴こえる。
自分の妻に先輩の手先が伸びる事を予感しながら私も、その雰囲気に呑まれて行く。
突然に寝室の明かりが消え画面からの光りだけに成る、先輩が手元のコントローラで蛍光灯を消した、誰もその事には触れず更に淫靡な空気が寝室を包んで来る。
私が奥さんの方に視線を送ると奥さんも私を見ながら目線を妻の方に向け私に訴えていた、私は奥さんの背にある鏡で妻を探す、背にした部分は暗く、でも暗い中で先輩の片腕が妻の腰に回り妻を引き寄せようとしている。
無言で振りほどこうとする妻だが、然程の抵抗もみせては居なかった。
私は画面より鏡の方に集中してしまう、やがて先輩の手は妻の腰から外れ鏡からは見えないが前に回り込んだ様子。
奥さんも先輩の行為を見ながら妖しげな視線を私に向ける、
「ちょっとお水を飲んで来る」
奥さんが言う、私も間髪入れずに
「トイレに」
と立ち上がった、一瞬、先輩の手が止まり何事もなかったかのように
「我慢出来なく成ったんじゃ無いだろうな」と、作り笑いみたいな顔で言う。
私達は寝室から出ると、どちらかとも無く近づき無言で抱き合ってしまう
「きっと寝室でも貴方の奥さんも」
奥さんが言う。
「分かってます」