第六章 【 受精の刻 】
どのくらいの時間が過ぎただろうか。そのうち、交わりの姿勢が変わっていって・・
南さんが妻の背後に回り込み、横寝の姿勢になった。
そして、硬直したものをいとも容易く馴染んだところに押し込むと、妻の片脚を太腿で跳ね上げた。
「 さあ、しばらく このままで・・ 理香さんも脚を上げて 」
妻が言われた通り素直に右手をすねに持っていき脚を上げるが、横寝の姿勢では片方の手で体のバランスを保たなければならず、
南さんの脚の助けを借りなければできるものではない。
「 …んあぁ…! あぁっ… いいっ… !」
その姿勢での出し入れが激しさを増してくると 、当初の頃の余裕なんてものはどこかに吹っ飛んで、到底 堪えられるものではない。
突かれているところが気持ちいいのは勿論だろうが、その先にもっと凄いものがあるような気がして、ひたすら、高みに向かって昇りつめていく。
無理な姿勢での交わりが猶も続いていくと流石に南さんも疲れてきたのか、妻の片脚を跳ね上げているのが重荷になってくる。
妻にしても、こんな窮屈な姿勢から抜け出して、早く彼の体にすがりつきたいところだろうが、傍で見ている私も圧倒されてしまって ・・
ここまでくると、どう見ても本物の夫婦のセックスとしか思えない。
【画像⑪】
妻が漏らす喘ぎが 段々と熱を帯びてきた。
これまでかなりの時間 交わっているが、一体、一回のセックスに費やす時間はどれくらいが普通なのだろうか?
当然、個人差があると思われるが、私の場合を言えば数分にも満たない。
比べること自体ナンセンスだが、今夜の南さんは悠に二十分を超えている。
これだけ長くなると私の方もそろそろ・・ これまでの自慰で積もりに積もったものが限界に達し、我慢できなくなってきている。
妻が喘ぎと身悶えを頻繁に繰り返し、二人の交わりがここまでのっぴきならぬものになってくると、一人でこっそり始末しようと思っていたことまで、それでは済まなくなってくる。
もう、遡精を抑えるのは至難の業だ。
そうなると、精を放つその場所は妻の口の中以には考えられない。
私はふらふらと立ち上がり、いきり立ったものを妻の眼の前に差し出した。
すると、私が近づいてきた気配を察したのか、差し出されたものを躊躇なく咥えてくる。
すぐに、生温かな粘膜が欲棒を包み込み、亀頭の感度を上げてくれる。
「 … んっ、んっ、んっ …」
口を窄めながら、まるで私を慈しむかのように唇を上下に動かすが、私のものを咥えているせいで、
南さんの動きに合わせて漏らす声がくぐもって聞こえる。
「 ああっ 、 理香 ・・ 」
先程から至福と背徳に満ちた行為をずっと眺めていたせいか、体の芯が痺れるような快感が襲ってくる。
もはや 理性や意思では抑えきれない甘美な瞬間 ・・
私は、妻の名前を呼びながら、くらくらするような眩しさの中で射精した。
「 やっぱり・・ 見ているだけでは駄目ですか?
でも、それで当たり前ですよ。 奥さんのこんな姿を見たら・・ 」
そう言いながら、南さんが腰の動きを一旦ストップさせ、交わりを解く。
「 さぁ、それを始末して ・・」
南さんに言われた妻が顔に付着したものをタオルで拭いながら、口の中に溜まったものをゴクっと飲み込む。
こんな場合 誰だって、夫の精液を顔に付けた相手と続けて交わるのは御免蒙りたいに決まっている。
「 さぁ、また、先ほどのように横になって ・・」
妻の背後で横寝の姿勢になっていた南さんが、傍に佇んでいる妻に声をかける。
言われた通り、妻がベッドに体を横たえると、後ろの方から南さんが赤黒く膨らんだ怒張を差し伸べる。
「 さぁ、そこから手を伸ばして、これを・・」
そんな風に言われずとも、妻には彼の意図していることがわかる。
すぐに、半開きの脚の間から妻の手が伸びてきて、股間に垂れていたものをゆっくりと己が秘所へ導き、手にしたものを躊躇う風もなく我が身に取り込んでいった。
二人の体が背中合わせに密着し 交わりの姿勢が整うと、再び、南さんが腰を動かし始めた。
陰嚢から突き出た欲棒が媚槌に取り込まれていく度に、妻が喘ぐ。
「あぁ … わたし、もう … 」
女体の妙はわからないが、じっとしておれば、期待通りの快感が手に入るのだろう。
妻の歓極まった声から察するに、先ほどからの交わりで既に快感が沸点に達しており、
南さんが腰を動かす度に、身が蕩けそうなほどの快感が体の中を走り抜けているのは
容易に想像できる。
歓喜の喘ぎを漏らし続ける妻の片脚がともするとベッドに落ちそうになると、南さんがそれをぐいと持ち上げる。
「 あっ、ああっ…! わたし、もう、イッ、イッてる~っ…!」
妻が、自分の意志とは関係なく湧きあがってくる快感から逃れようと、何度目かの絶頂に達していることを南さんに伝える。
しかし、妻の叫びを無視した南さんがさらに激しく腰を振ると、妻は為す術がない。
「 やぁっ、 だめぇ… ! 」
一瞬、後ろを振り向き、苦しそうな表情を私の方に向けたが、流石に「あなたっ … !」と、助けを求めるようなことはしない。
固唾を飲みながら見ていると、南さんの赤黒い怒張がしとどに濡れたところに
先ほどにも増した勢いで滑り込んでいく。
【画像⑫】
抽送を続ける彼にしても、腰を突き出しさえすれば愛しい女の媚泥がずるっと自分の分身を取り込んでくれる・・
その温かい膣ひだになぞられる感触は、例えようもないほど気持ちいいのだろう。
「ああ・・理香、もう十分だ・・ 」
夫である私だけが所有する妻のプライベートなところ・・
その中で荒れ狂う他人の欲棒を見ていると、胸が押しつぶされそうになって居たまれなくなってくる。
「 あぁ… もう、だめぇ… おかしくなっちゃう… 早く イッてぇ-っ! 」
切羽詰まったものを堪えきれずに、ひたすら射精を乞う哀願の声 …
その訴えを聞いた彼もまた、自分が終点に近いことを知っている。
一旦、交わりを解いて妻の体を正常位に組み敷くと、再び妻に覆いかぶさっていった。
体位が変わったことで吐精の瞬間が近いことを知った妻が南さんの背中に両手を回し、思い切り抱きしめる。
自分の体に刻まれる律動の嵐 ・・至福のひと時を逃すまいと足の指をぐっと内側に屈め、
ふくらはぎが攣りそうなほどに力みを入れる。
「 ああ ……! いっ、いく~っ、一緒に~っ … !!
受精の刻を迎え、理香の体がわなわなと震え、両手で男にしがみつきながら精を注がれる瞬間を待っている・・
既に理性は麻痺して、蕩けそうなほどの快感が積もった膣奥深く・・
そこに熱い滾りが放たれ至福の悦びに浸れるのなら、相手の男がどんな無理を言ってもそれを拒もうなんて思わない。
また、逢ってくれますか?と言われれば、すぐに首を縦に振ってしまう。
例え、このまま他の男と入れ替わったとしても、続きをしてくれるのでさえあれば、相手が誰であっても構わない・・
「 あぁっ、出るっ・・!」
南さんがひと際大きく喉奥から絞り出すような声を漏らすと巨根が根元まで押し下げられ、ひと際深い挿入が為された。
同時に、妻が深いホールドで南さんの背中を掻き抱く・・
窄まったままのお尻 ・・ 妻の膣奥深く、強烈な勢いで射精が為されていることは
疑いない。
陰茎が小刻みに脈打ち、その裏側を精液が駆け上っていくのが傍目にもはっきり見えた。
( あぁ・・ 二人の思いが溶け合った情交の漿、それが妻の体内に・・!
間違いなく妻が・・その熱い遡りを、半ば麻痺したような膣内で受け止めているのだ!)
その様を傍から覗き込んでいる私の興奮といったら、尋常なものではない。
鈍色の白濁液は、南さんが男の思いを賭けて妻を愛した証。
その中に含まれるもの全てが、妻の体に溶け込んでいく・・
たっぷりと精液を受け取った理香が、肩口の筋が浮くほど強く南さんの背を抱きしめている。
(ああ・・ それほどいいか ? そのままがいいか・・?)
思わず、嫉妬まみれの言葉が、口から飛び出しそうになる。
(第七章に続く)