第五章 【 満たされる悦び 】
夕食後一時間ばかり過ぎるとすぐに約束の時間がやってきて・・三人が三人とも頃合いを気にして気まずそうな顔をしている。
窓から外を眺めると、渓流の向こうの灌木帯がすっかり闇に包まれ、カーテンを開けても周囲の目が気になるような所ではない。
時計に目をやると、とうに予定の刻限が過ぎている。
冷蔵庫から取り出したビールで一杯やっていた南さんが、グラスの残りをぐっとあおり、
それをテーブルに置いた時にカタッと鳴った小さな音が私を促す合図のように聞こえた。
「 さあ、早く 暑くらしいものを脱いで、向こうに行けよ 」
夫からそんな言葉をかけられるまでもなく、この部屋に入った時から妻の方も・・
これから始まる恥態の一部始終を私の視線に晒すことを自分に言い聞かせていたはずだ。
しかしながら、そんな心の動きとは裏腹に、浴衣の下のじ~んとした疼きは
如何ともし難く、潤んだところをぴくぴく震わせていたとしても不思議ではない・・
ともあれ、私の方をチラッと見た妻が、南さんの待ち構えているベッドに向かい、
浴衣の帯を解き始めた。
「 さあ、始まってしまえば、どうってことありませんから・・」
そう言った南さんが妻の体を抱き寄せ、見ている間にも妻の唇が南さんのそれに
重なっていき、夢中で舌を絡み合わせる。
情けを通わす男女が互いの想いを求め合うとなれば、肌の温もりもさることながら、
粘膜で覆われたデリケートな所が最適なのでしょう。
南さんの大きな手が妻の首筋を抱きかかえ 乳房を愛撫し始めると、妻も南さんの
体にすがりつく。
吐息を押し出す妻の胸が波打っている・・
そんな二人の姿を傍で見ている私だが、眼前で繰り広げられている光景が
まだ序章に過ぎないこともあって、固唾を飲みながら ・・というところまでは
至っていない。
「 さぁ、風呂場じゃできなかった続きをしましょうか? 」
そう、つぶやいた南さんがベッドに仰向けになり、妻をお腹の上に誘う。
相手がそんな格好になれば 妻もじっとしている訳にはいかず、それまで遠慮気味に
閉じていた両脚を開いて、お腹の上に跨る。
南さんが妻の股間を覗き込み 大きな両手でそこを左右に割ると、
妻の方もそそり立ったものに唇を近づけ、当然のようにそれを口に含んだ。
言葉は悪いが馬乗りの格好だ。
「 小野さんに独り占めされているここが妬けるんですよ。
どうせ、好きな時にいつでも差し出んでしょうから 」
そんな風に言われても、妻には返す言葉がない。
眉間にしわを寄せながら、そそり立ったものを懸命に扱うだけだ。
時おり、自分の唾液を塗しながら愛撫しているが、流石に音までは立てたくないらしい。
【画像⑨】
しばらく口の動きを続けていた妻だったが、南さんが妻の股間を舐め上げていくと、
ついつい 甘ったるい声がこぼれてしまう。
まだ、その声が余り大きくならないように顔を歪めながら刺激に耐えようとする理性は残ってはいるが、それも今しばらくのところだろう。
角度的に私がいる所からは見えにくいが ・・
恐らく、南さんの目に晒しているところには愛液が溢れているに違いない。
「 さあ、余り待たせちゃ 気の毒ですから ・・」
そんな言葉を聞くと、私のうっ血した下半身にピクっと震えが走る!
さぁ、この次に訪れる光景は・・ 理香が自分の手で滾らせたものを火照った媚肉の奥深く迎え入れるのだ。
私としては、膨れ上がった怒張の先が妻の中へ分け入った刹那、感極まって漏らす妻の歓びの声 ・・
それが聞きたい。
「 さあ、楽しみにしていたんでしょう? しばらくご無沙汰でしたから・・ 」
南さんのその言葉を聞くと急に胸の鼓動が激しくなってきて、その言葉が妻にと言うより私に聞かせている言葉のように思えてしまう。
「 理香さんには悪いけど、旦那さんがこんな格好が好きなようですから。いいでしょう?」
「 …… 」
「 小野さんも、奥さんに何か言ってあげなきゃ ・・ 可愛そうに顔を背けてるじゃないですか 」
「 南さんに縋りついておればいいから・・」
「 きっと、おかしくなっちゃうけど、そうなったらごめんね ? 」
「 いいさ。 感じるままで・・
俺のことは気にせず、気持ちよくなったら声出せよ」
「 う ん 。 でも、後で 変なこと言っちゃいやよ … 」
「 わかった。 さぁ・・一緒になって、思いきり悦ばせてもらうんだ 」
こんな会話を妻と交わしてから、私はすぐに、挿入の瞬間が最も見え易い場所・・
ベッドの斜め後ろにそろそろと場所を移す。
私から見ると後ろ向きの姿勢で、妻が南さんのお腹の上に跨り始めた。
やがて、妻の股間の下から手が伸びてきて、南さんのそれを手に取る。
体を前のめりにし、うつむき加減にすると、形状の違う男女の性器が露わになって、赤黒く膨らんだ欲情の塊が度を越えて艶めかしい。
そのうち、張り詰めたものを手にした妻が、自分の淫らなところに手探りで宛がっていく。
仰向けになっている南さんはもちろん、お腹の上に跨っている妻にしても我が身の火照ったところは見えないはずだが、
恐らく、何度か体を馴染ませてしまえば・・ 亀頭の膨らみをすっぽり収める場所ぐらい感覚的にわかるのだろう。
どうやら、手指で操られた強張りの先が挿り口を見つけたようだ。
程なく それが根元まで収まるのだ。
「 その辺りですか? 欲しかったんでしょう? それが・・」
そうつぶやいた南さんの言葉が終わるのを待たず、妻がゆっくりと腰を落としていった。
見ている間に、卑猥な光沢を放っていた肉茎のほとんどが妻の淫所に埋まっていった。
欲してやまなかったものが、自分の媚泥に分け入ってきた感激 ・・
「 あっ… あぁぁ…! 」
切なそうに、歓喜の声を震わせる理香・・
( あぁ~ 挿った・・)
心の中でつぶやきながら、つながった箇所を食い入るように見入る。
多分、亀頭が膣口を滑って一気にわが身を貫いた瞬間 ・・ 胸がキュンと震えたに違いない。
長らく待ち焦がれてことが現になり、想いを通わす男のもので自分の中を一杯に満たされる嬉しさ ・・
その心地よさは、得も言われぬものだっただろう。
互いの性器が深々と結ばれ、ともすると女性器の輪郭すら見えないような深い結合になると、私も股間から自分のものを引っ張り出さずにはおられなくなってくる。
妻が他人のものを受け入れた興奮と自分の願望が叶った喜び・・
妖し気に燃え上がった欲情の吐け口は、自分のプライベートなところしかない。
( みっともない姿を二人の目に晒したって構わない・・
私が自慰に耽る姿を見て、理香の後ろめたい気持ちが少しでも消え失せるなら・・)
ほどなく、私の手の動きに呼応するように、南さんの茎が緩やかに動き始めた。
妻と呼吸を合わせ、小刻みな律動を刻んでいるが、ほんの数度の動きで妻の中に埋めたものが馴染んできたことを確かめ終えたのだろう。
そうなると、妻の方も気持ちよさに加え久々に抱かれる感激、そして夫に見られている妖しい興奮が作用して、
次第に、腰の動きがリズミカルになってくる・・
しばらく、声を出すのを控えていた妻だったが、潤んだ瞳で南さんの顔を見つめながら、「 はぁ… いい … 」吐息混じりの喘ぎを漏らし始めた。
そのうち、妻の声が「 あっ、あっ、あぁ … 」という三拍子の短いものに変わってくる。
その声を聞きながら、理香と南さんが繋がっているところをチラチラ姦視する。
その気配を察知した南さんが妻のお尻に手を回し、結ばれているところをぎゅ~うと横に拡げた。
【画像⑩】
淫らに拡がった双丘の谷間に 男の想いを込めた肉茎が隆々と突き立ち、出入りを繰り返している。
「 もう 旦那さんのことは気にしないで。
後は ・・これが気持ち良くしてくれますから 」
妻の返事はなかったが、漏らす喘ぎが一層艶を帯びてきて、すべての動きを
南さんに任せている。
奥まですべて入り切り、それが一定のリズムで膣ひだをなぞる心地よさは、
涙が出そうなくらい気持ちいいのだろう。
そのうち、堪えきれずに「だめぇ、イクっ、いっちゃう … !」
早くも妻が身悶え始めた ・・
しかし、「 だめぇ …」とは言っているものの、その行為の全てが妻も望んでいる行為なのです。
(第六章に続く)