第一章【 群がる男たち 】
愛する妻が、私の目の前で他人に抱かれる。
初めて 妻を他人手に委ねたきっかけは、ネットで目にした倒錯の性・・
某サイトに載っていた掲示板を読んだら矢も楯もたまらなくなり、妻を説得してとあるパーティに参加した訳ですが、
一通りのことが終わった後も興奮が冷めやらず、次のような書き出しで始まる体験談を投稿してしまいました。
「私は現在45歳、妻の理香は43歳の熟年夫婦です。
妻は156cm、丸顔のポッチャリ型で、自分で言うのも憚られますが齢の割には容姿が衰えていません 。
知人から『 素敵な奥様ですね 』と言われると、悪くない気がして思わずにんまりしてしまいます」
その時から数え、かれこれ〇年ばかりが過ぎましたが、その後 私たちの夫婦生活がどのように変わっていったのか、
相手の男性のことも交えて綴ります。
今年の冬は久しぶりの大雪で、屋根雪下ろしが二回ともなるとこの先どうなるのか不安に思ったものですが、
根雪が溶ければいつものように、あぜ道にふきのとうが ほころんでいる。
こうして、雪下で息を潜めていた草花が芽吹いてくると、しばらく逼塞していた私の性癖が鎌首をもたげてきて、
また 妻を誰か他の男に・・そんな衝動を抑えかねてしまいます。
禁断の世界に足を踏み入れた当時は、妻が他の男に体を開く姿を一目垣間見たい一心で、
それこそ、委細構わず、妻を出会いの場に連れ出していたものですが、
見ず知らずの男たちに弄ばれる妻の痛々しい姿を目にしてからは、自然とグループセックスから
足が遠ざかるようになりました。
その代わりと言っては相手の方に申し訳ないのですが、その後の成り行きで
南さんという特定の男性が私たちの前に現れ、
最近は、妻の体に覆いかぶさるその男は、彼以外には考えられなくなってきたのです。
余り記憶が定かではないですが、妻が初めて彼に抱かれたのはおよそ六 ~ 七年ほど前・・
それ以来 今日に至るまで彼との関係が続いていますが、彼の存在が私たち夫婦にどのような影響を及ぼし、
その後、私たちの夫婦関係がどのように変わっていったのか?
その辺りのことは、これからゆるゆるお話します。
これまでのことを振り返れば ざっとそんな経過を辿っていますが、
今回ここに書かせていただく気になったのは、
久しぶりにまた、私も交えて三人で一夜を共に過ごすことになったからです。
たしか、妻と南さんが絡み合う姿を私が最後に目にしたのは二年ほど前だから、
あれから、随分と時が経っている。
その話を妻に持ちかけたのは、もちろん私の方から・・
夕食の後片付けも終わり、家の周りのことやTVのニュースなど、ありきたりの話が出尽くした後で妻に話しかけます。
「 ところで、最近、どうなんだ ? 『 また、誘われちゃった … 』なんて話は舞い込んでこないのか?」
「 どうしたの? 急に … 」
「 いや、別に ・・ 花粉症の季節だから、そろそろおまえもむず痒くなってきた頃じゃないかと思って 」
「 そんな風に見える? でも、そんな話 … もう、あなたの口から出ないものと思ってた 」
「 そうか? それほど満足してるってことか ?」
「 別に、そんな訳じゃないけど … 」
私たち夫婦の日常の中でこれまでと変わったことと言えば、このような会話が出てくるようになったことです。
有り体に言えば、ある時 妻に「 好きな時に彼の所に出かけていいから・・ 」と言ってしまったのです。
そのように妻に告げた時の自分の心持ちを言えば、例えば、テーブルで相向かいになってお茶を啜る食後のひと時・・
( 私にとって、心が和むつかの間のひと時ですが、果たして彼女も私と同じように満ち足りた時間を過ごしているのだろうか?
男に抱かれながら両手を彼の背中に巻きつけ、このまま堕ちていきたいと願ったはずのあの夜の彼女 ・・
果たして、私はこれからの夫婦生活で、あの時に比する程の喜びを彼女に与えられるのだろうか?)
気力や体力の衰えに伴い、いつしか私の心にこのような迷いが生じ始めました。
こんな重苦しく鬱陶しい思いが私の心に巣くうようになってから久しいですが、どこまで考えても答えは決まっています。
「 それならいっそ、夫婦の縛りを解いて彼女が望むままに・・」と考えた時、
ようやく、もやもやした心が晴れたような気がしました。
例え、夫婦としての箍を外しても、私との絆はこの先もずっと続くはず・・
このまま、妻が背徳の道を歩み続けても、これまで積み上げてきた二人の関係は揺るぐべくもないはず・・
決断の裏には、このような妻への信頼がありました。
夕食後、くつろぎのひと時・・ 妻に話しかけます。
「 おまえが抱かれる姿を見たいんだ。
『 久しぶりに俺も一緒に・・』というのは、もうこりごりか?」
「 そ~う ? だって … 」
「 何か、言い難いことでもあるのか ?」
「 だって、そんな … 嫌だなんて言えないでしょう?
好きなことをさせてもらっているのに。 でも、そのこと … 」
「 南さんに確かめたのかって、言いたいのだろう?」
「 … 悪いけど、彼が嫌だって言ったら諦めて 」
「 まぁ、彼のことだから『別に構わない』と言うだろうが、
断ってくれた方が俺もすっきりするかも・・」
「 そんなこと考えているの?
もっと、わかってくれていると思っていたのに… 」
妻が言う通り、確かに今はそんな状況なのだ。
多分、妻が言った言葉の後には、「 もう、あなたが諦めれば済むような問題じゃなくなっているのよ 」
なんて言葉が続くのだろう。
妻の立場にしてみれば、事の初めは半ば無理強いに近い私の願望を叶えるために、
躊躇いながら禁断の世界に足を踏み入れた訳で、
その後 成り行きとは言え、南さんという特定の男性と深い仲になった今になって、
その関係を清算して・・というのは余りに惨い話でしょう。
仮に、ここで妻に対して「 恐々とは言え、他の男に抱かれることに興味があったくせに・・」と詰ってみても、
男女間の事実が積み重なり、彼に心まで通わせ始めた現実をご和算にもっていくのは、容易なことではないはずです。
南さんの方は、これまで妻の所有権を私と争うような態度は微塵も見せていないので、例え、そうなっても
すんなりと身を引いてくれるでしょうが、妻の方はそう簡単にいくはずがありません。
かく言う私にしても、密かな愉しみが無くなったとなると その歪が妻の方に向いていって、
自然と、家庭における妻への態度が刺々しいものになり、万事休すといった事態を招かないとも限りません。
お互い、夫婦の絆が壊れない程度のアバンチュールを密かに楽しむのが理想なのでしょうが、
胸の思いを包み隠しながら 偽りと繕いの日々を過ごすとなると、なかなか重いものがあります。
あれやこれや考え出すと切がありませんが、目下のところは互いを労わり思いやりながら、
双方が納得できるところで折り合いをつけて暮らしていくしかないのでしょう。
ともあれ今夜は、妻が私の申し出を受け入れてくれただけでも有難いと思わなければなりません。
その後二 ~ 三日経って、私は南さんの携帯に電話をかけた。
やはり、こんな話は私の方から持ちかけるべきでしょう。
南さんの身になってみれば、自分に組み敷かれて歓びに咽んでほしいと願っている当の本人の口から、
「 主人のことも気遣ってあげて… 」なんて頼まれるのは迷惑な話でしょう。
「 いやぁ、久しぶりじゃないですか? ちょっと付き合いませんか?」という彼の誘いを好便に居酒屋でその件を打ち明けた。
「 それにしても三人一緒に ・・っていうのは何年ぶりかな?
久しぶりに、旅の夜を満喫しますか?」
こんな調子で始まった話ですが、目的がはっきりしており落ちも決まっているとなれば、話がてっとり早く進みます。
殊更、返答に困るような話もなく、場所や期日は私任せ、車は別々で ・・と、すらすら事が運んだ。
ちょっと、気になったのは、「 でも、その話って・・理香さんが言い出したんじゃなく、
小野さんの方から持ち出したんでしょう?」と尋ねられたことだが、
それも想定内の質問で、その言葉を聞いて返ってホッとする。
( この塩梅では、妻が私に内緒でこっそり・・というのは、そんなに度々ではなさそうだ ・・)
家に戻って・・ 長い間鬱積されていたものが現実味を帯びてくると、今夜はこのまま眠れそうにありません。
「 ちょっと、仕事があるから・・」 妻に断って自室に籠る。
デスクPCに差し込んだのは、これまでの妻の恥態が保存してあるメモリチップ・・
PC画面には、デジカメで撮った画像やビデオ編集した画像が並べられているが、
そのうちのいくつかは、私がいない部屋で南さんによって撮られたものだ。
すべて時系列で並んでいるので、最初に映し出される画像と言えば決まっている。
画面いっぱいに写っているのは、どこか田舎の鄙びた所へと思って、桜の花が咲く頃、三重県の民宿に泊った時のものだ。
あの時は、おりしも居合わせた建設現場の方達と意気投合して、そのまま流れの中で妻の体を彼らに委ねたが、
残念ながらこの時の画像はこれしか残っていない。
妻と荒々しい男たちのセックスを目の当たりにして、興奮の余りそれ以上写真を撮る余裕なんてなかったのだ。
今となっては、ここに写っている方達がどこのどなただったのか、確かめる術もありません。
思い起こせば、あれは私たちが禁断の世界に足を踏み入れた駆け出しの頃。
ただ、ひたすら、妻の中に埋もれる他人の肉茎とそれを受け入れる妻の表情が見たい一心で・・・
目の前で繰り広げられたそのシーンは、グループセックスと言うより寄ってたかっての凌辱と言った方がいいような光景だった。
確か、この時は ・・ 妻の浴衣が剥がされるとすぐに男たちの帯が解かれ、たくましい裸体が露わになっていった。
大きく拡げられた妻の股間に注がれる欲情の眼差し・・ 覚悟を決めた妻の表情が何ともいじらしい。
【画像① 省略】
そのうち、妻の隣に座っていた男の手が太ももを伝って ・・ やがて、その手指が妻の翳ったところを這い始めた。
妻がビクッと下半身を震わせたのを覚えているが、「あぁ、ほどなくあの滾ったものが・・」
長らく待ち焦がれていたことがもうすぐ現実になる瞬間 ・・
私は、妻の股間に目を遣りながら 次に訪れる光景を上気しながら待ち望んでいた。
男の愛撫がやけに長く感じられる ・・ ようやく、最初の男の赤黒いものが妻の股間に宛てがわれ、
男の欲望を滾らせいきりたたったものが、狭隘なところにこすり付けられている・・
そのうち、その先端がじわじわと妻の淫部に食い込んでいき・・その動きが一旦止まったと思う間もなく、
ぐいと一押しされた。
途端に、妻が「 ああ …… っ 」と、くぐもった声を上げたのをはっきり覚えている。
今で思えば、その切ない叫びは私たち夫婦とは何の縁もない欲情の塊・・
それが ずるっと、我が身に埋もれたことを私に告げる声だったのでしょう。
ずっと思い続けていたことが叶った瞬間 ・・ その声を聞いた時の私の興奮も半端なものではなかった。
そのうち、男の抽送が激しくなると、縋りつくような眼差しを私に向けていた妻の喘ぎが頻繁になってきて ・・
それまで、こぶしを堅く握り下唇を噛みながら耐えていたが、
「 あっ、あっ、あぁ… 」 次第に、小刻みな喘ぎが 股間に見え隠れする肉茎の動きに合ってくる。
やや離れた所からじっと息を殺しながらその光景を眺めている私にも、それが苦痛を伴うだけものではなく、
悦びをはらんでいることは すぐにわかった。
それに何より、妻の周りを取り囲むようにして出番を待っている男たちの槌き出しのものが何とも艶めかしい。
自然と、股間に垂れた男の徴が目に入ってきて・・
私は、眼前で繰り広げられている光景が、猶も続いていくことに、言いようのない興奮を覚えていた。
【画像② 省略】
その後、夜遅く自宅に戻ったが、妻が寝際にこっそり漏らした言葉だけははっきり覚えている。
「 わたし、初めてわかったわ。 他の人のものでも気持ち良くなるんだって…
あんな風に動かれると、もう堪えようがないもの。
体が勝手に感じちゃって … もう、どうなってもいいって思ったわ 」
今で思えば、この時の出来事が私たちが深みに嵌る出発点だったのかもしれません。
(第二章に続く)