11年前、俺宛に送られてきたDVD-R。
なぜか茶の間で見る気になれず、寝室のPCで再生した。
妻の芙美が全裸で映し出された。
麻縄でM字開脚に開かれて緊縛され、秘唇の真ん中で既に濡れた秘穴がヒクヒクしていた。
そこへバイブがズッポリと挿し込まれ、スイッチが入れられると振動音で唸り、芙美の快楽を引き出していた。
秘穴を抉るバイブに、芙美は湿った吐息を漏らしていた。
やがて狂乱しはじめ、噴いた潮がバイブの振動で飛び散っていた。
やがて、男の生の肉茎が挿し込まれ、ゆっくりと抽送された。
芙美のドドメ色の秘唇が淫猥な音を立て捲れ、ついには自分で腰を振り乱して昇天した。
更に続く容赦ない凌辱に、涙ぐみながらも感じて、秘穴を抉られ、無意識に腰を振りながら絶叫して何度も逝きまくっていた芙美だった。
35歳の芙美の柔肌に荒縄がざらつき、抜かれた肉茎の後に入れられた電マのアタッチメントに腰を跳ねさせて逝き惑った。
縄が解かれ、再び生の肉茎が挿し込まれると、我を忘れて腰を振り、中出しされた事も気付かない芙美だった。
ハッと我に返って、中出しに精液を掻き出していた。
結婚して10年目の芙美を心から愛していた俺は、寝取られた事実と被虐悦楽に濡れた芙美に愕然としながらも、どうしたものか考えあぐねていた。
数日後、芙美が、
「あなた・・・私・・・」
と言うので、何気に、
「なんだ?妊娠でもしたか?」
と言ったら、不倫妊娠を白状した。
俺は、間男に慰謝料500万円を要求し、芙美の赤子は堕胎させた。
芙美とは暫く夫婦を続けていたが、ギクシャクして居心地が悪かった。
その夫婦のただならぬ雰囲気は、小学2年生の娘にも影響を及ぼし始めた。
俺は、ほどなくしてやってきた10回目の結婚記念日に、娘を俺の実家に預けて、芙美と食事にでかけた。
そこは、10年前に披露宴を挙げた式場のあるホテルだったから、芙美は何かを察して悲しげな眼で俺を見ていた。
不倫発覚以来数か月ぶりに、夫婦で色んな話をした。
恋人時代、新婚時代、娘が生まれた時、楽しい思い出の後、SM動画のことも話した。
芙美は覚悟を決めたように、
「ごめんなさい。私は、あなたのそばにいられたことは幸せでした。」
と俯きながら言った。
食事の後、俺が芙美にプロポーズした公園に行った。
芙美の目は憂いに満ちていて、これから俺が言うことを既に分かっていたようだった。
「結婚して10年、ありがとう。本当に愛してた・・・」
芙美の頬を涙が伝った。
俺は、芙美にキスをして、
「夫婦最後のキスだよ。もう、限界だよね・・・」
芙美が嗚咽を始めた。
「芙美・・・夫婦が始まったこの場所で、夫婦の終わりにしよう。今日で、さよならだ。」
「うん・・・本当にごめんなさい。それから、今までありがとう。あの子のこと、よろしくね。さよなら・・・元気でね。」
芙美に、芙美が書き込めば完成する離婚届を渡して、嗚咽する芙美に背中を向け、振り返ることなく実家へ向かった。
財産は折半、慰謝料と養育費は要求しなかった。
アパートにある俺の荷物は実家へ搬送済み、生活に必要なものは芙美のために残した。
こうして、10年間の夫婦生活に幕を下ろしたのが8年前、俺37歳、元妻の芙美35歳、娘はまだ8歳だったが、母親が父親を裏切ってしまったことは理解していて、気丈に振る舞っていた。
瞼の裏に、嗚咽する芙美の顔が蘇った。
目を開けると、遺影の芙美が微笑んでいた。
俺の隣では、高校の制服に身を包んだ娘が、俺の手を震える手で握っていた。
5年前に再婚した今の妻が、俺と娘に、芙美との最後のお別れをしてくるように言ってくれた。
だから俺は、元妻の芙美、娘の実母に最後のお別れをしに来た。
深々と頭を下げた元義父母と元義兄が痛々しかった。
死因は、過激なSMプレイによる窒息死だった。
焼香した時、堪えていた涙が、合掌した手に、落ちた・・・