その昔、まだテレクラが全盛だった時代、ある夜一本の電話がつながった。話しによると人妻で、旦那は出張中とのこと。
鈴を転がすようなキレイな声だったが「どうせまた、オトリだろ?」ぐらいに思っていた。しかし、向こうは結構話しに乗ってきて「おや?」と思いつつ、こっちはダメ元で好みのプレイや性癖を話しかけた。もちろんSMチックな内容だ。すると、向こうはどんどん前のめりに興味を寄せてくるではないか。私は調子に乗ってかなりキワドイ願望を話した。すると、受話器の向こうの声が徐々に上ずり始め、息も上がっている様だった。僕は思い切って「今、触ってるの?」と聞いてみた。すると向こうは思わず「は、はい(汗)」と返して来た。あまりに素直なリアクションに「僕も触ってるよ」と即座に共犯意識をアピールした。「えっ。どうなっているんですか?」とベタな質問を返してくるので「もうカチカチだよ」と言うと「フッ、ウッ」と鼻声が聞こえた。「君の声がセクターだから。先っちょはもうヌルヌルだよ」と言うと「アッ」と絶句する雰囲気が伝わってきた。「ひょっとしてイッちゃった?」と聞くと「は、はい」と言うではないか。こちらはこのチャンスを逃してはと「これから会えない?」と聞くと「今夜はもう遅いから無理」と言ってきた。確かに時計の針はすでに0時を回っていた。それでこちらの携帯電話番号を教えてその日は終わった。しかしその後、中々電話が掛かって来ずに1ヶ月が過ぎた。ある日、急に見知らぬ電話番号からコールがあった。「もしもし、覚えていますか?」あの素敵な声だった。
「もちろん覚えていますよ」「うれしい。もう忘れられたかと思った」なんていうやり取りのあと、今日は旦那様が出張なので夕方ならば少し時間があると言うではないか。僕は夕方の仕事をキャンセルして指定されたファミレスに向かった。約束の時間きっかりに現れた女性は小柄で清楚な美人だった。とてもあんなキワドイ話しに乗ってきてオナニーするような人には見えなかった。この出会いがその後、長い期間主従関係に発展していくとはまだ想像もつかなかった。