東北の南に住み、結婚して7年、子供は2人いる。
31歳になる妻が身体がおかしいと訴えるため、子ども会でママ友に勧められた整骨院に。先生は「これは骨ってよりは筋の問題だから、整体のほうがいいよ。いい人知ってるから」とのこと。
紹介されたのは土曜日に診察がある整体院だったが、些か遠かったので送り迎えをすることにした。
高校のころ厳格な父親に反抗気味だった妻は、なんとなくその名残がある。とにかくカネにうるさく、自分の病院なんかももったいないからと行きたがらない。
整体院は病院と言うよりは小綺麗な美容院みたいな外観だった。儲かってるんだ…と少しヒネたふうに見てしまう。当初、整体院受診に乗り気じゃなかった妻は一転、洒落た外観にウキウキして「なんか良さげじゃない? わたしらなら普段こないような感じだね」としたり顔。
「◯◯さんですね。どうぞ」
おれは少し狼狽した。医者はひょろりとした長身の若い男で、NE◯Sの増田を太眉にしたようなイケメンだった。前を開けた白衣の下はナイキのジャージで、ブロックの入ったスポーツマンっぽい髪が精悍そうな感じを出している。嫉妬でちょっと心が沈んだ。
「旦那さんもどうぞ」と促され、診察室へ。
数分の問診と、腕を上げたり身体を捻ったりなどを繰り返す。先生は「ちょっと骨盤が気になるので、触診します。よろしいですか?」と聞かれ妻は少し考えた後「じゃあ、お願いします」と答えました。
10分ほど曲げたり捻ったりする。筋を伸ばしたりするのがなにか気持ちがいいのか、妻は声を我慢した感じで「あっ、はあ…」とされるがまま。先生が
「骨盤矯正します。奥さんの場合は少し期間が必要です。4、5回通ってもらえれば体感する症状を改善できますよ。ひとまず、きょうのぶんをやってしまいます」
というので、その通りにしてください、と返答。
おれは待合室に戻り、施術着に着替えた妻は奥の部屋へ。10分ほどだったろうか、ときおりギッ、ギッと診察台かなにかが軋んで「はあん…!」と妻の痛そうなうめき声が聞こえてきた。
と言うので、そのようにすることにした。
1ヶ月ほど経ち、3回目の通院で偶然、妻の不貞を知ってしまった。
子供が洗濯機にティッシュ入りのズボンを放り込んでいないかチェックしていたら、意図せず妻のパンツを引き揚げた。色っぽいレースのついた青い下着は、どろっと白い液体に塗れていた。おりものの色ではない。オイオイ…と匂いを嗅ぐと、しっかり濃いザーメンの匂いがした。衝撃だった。
その日は妻と朝から晩まで一緒にいて、おれの目を離れたのは2、3回のトイレと、通院し診察室に行ったときだけだ。不貞のタイミングなんかその時しかなかった。
あのイケメン整体師にハメられたのかと思うと心がぐつぐつする。いちどの過ちかもしれないな、と苦痛を我慢して大目に見ることにした。
もちろん、エッチしざかりの若い男が一度だけで勝手に引き下がる訳はないのは知っていたが、妻を信じた。
次の診察のあとの夜、床で妻を四つん這いにさせてオマンコをひらいてみた。風呂に入っても中にザーメンが残っていることがあるし、当然エッチしていればあるだろうと思った。前回も避妊していないわけだし。
案の定、どろっとした白い粘液でぬらぬらと光っていた。愛液じゃない感じに確信を持った。妻は整体師にハメられている。
その後、どうにもできないまま通院は終わった。
妻が子供と遊びながら誰かとLINEしている。おそらくあの整体師なんだと思う。