以前、妻の容姿を道具にして客寄せしていたつもりでいたら、何人かの客に妻を抱かれてしまっていた経験がある。
男の場合、プロの自分が細かい説明より、素人の妻のたどたどしい接客のほうが、嬉しそうに応じてくれる。
服装も露出が多いほど、高額な契約が決まることが多い。
あこぎな商売と思うだろうが、どの商売の営業にも、多かれ少なかれそういった要素はある。
「あの契約は、君の接客じゃなければ取れなかったと思う。」
「あの客が、君の足の間や胸ばかり見ていたことは、君も気づいているだろう?」
性癖的に、もともと羞恥プレイに敏感な妻。
その妻にミニや胸の開いた服を着せ、パンチラしやすい低さのテーブルで接客を強制する刺激が楽しみだった。
「見せるだけで減るものじゃなし、どういうきっかけで契約しても、契約が変わるわけじゃなし、正当な営業方法のひとつだよ。」
「見えてしまったとき、幼稚な下着や、かっこ悪い下着だと、かえって恥ずかしい思いをするからね。」
一見正しそうな理屈を口実に、一見水商売の女にしか見えない服や下着を買い与える。
ほとんどカップがないブラや、丸出しにしたガーターベルトで、「見てもらいたがっている」ことをアピールすると、ほとんどの男は、妻の体を遠慮なく舐め回すような視線で楽しむようになり、中には、露骨に股間を凝視しながら「エロいねぇ」などと声に出して指摘する男もいた。
そういう風俗的な接客をさせはじめて、一年ほど経ったある日。
何人かの客が、妻と体の関係になっていることを知った。
きっかけは、理由も告げず、一方的に契約をキャンセルしてきたある客が、妻に吐き捨てた言葉だった。
「金のためじゃなく男とやりたいだけなんだろ。」
3人の客にホテルに行く約束をさせられ、先に抱かれた客と、待たせていた最後の客が鉢合わせしてしまい、
枕ではなく、不倫相手として付き合っているつもりになっていた一人が、妻が他の客ともやっていたことを知って怒ったということらしい。
ただし自分も最初は、契約をちらつかせて妻に体を要求していた。
事実を知ったときは、もちろんショックだった。
でも、妻より、自分を責めないわけにはいかなかった。
その頃は、男を釣るための撒き餌のように、妻に痴態を強制して侮辱し尽くしていた。
ワレメが透ける下着を着けさせて、手で隠さなければ丸見えになる角度で股間を晒させ、契約が成立するとトイレでノーパンなるように指示してパイパンを晒させたり、まるで風俗嬢と同じ扱いだった。
妻を抱いた男たちには、おそらく罪悪感のかけらもなかっただろうと思う。
それでも、当時はショックだった。
恥ずかしくて断れなかった、という妻の言葉が身に染みた。
その後、仕事の手伝いはやめさせたが、かわりにしばらく風俗店で働かせた。
今思えば逆恨みのような仕打ちだが、風俗嬢の妻もなかなかよかった。