最近何となく由美に違和感を感じるようになりました。
何となく、小綺麗になったというか、少しずぼらだったのが変わったというか、いつも綺麗にしている気がします。
家だと、リラックスモードで、ノーブラだったり、ノーメイクだったり、ひどい時は寝癖のままだった由美でしたが、最近は、私が仕事を終えて家に帰ると、しっかりとメイクをしていて、服も見たことがないおしゃれな感じのを着ていたりします。
結構短めなスカートや、胸元がざっくりと開いている服だったりして、ちょっとドキドキしたりするくらいです。
「最近、なんか綺麗になったね。どうしたの?」
疑問をストレートにぶつけると、
「そう?ありがとwもう、二人とも手がかからなくなって、余裕も出来てきたからね。惚れ直した?」
と、おどけて由美が答えました。
そんなある日、また早めに家に帰った時、息子の友人、隆哉くんを見かけました。
ガレージのバイクに乗るところを見かけました。
なので、隆哉くんは私に気がつかなかったのですが、私ははっきりと確認できました。
私は、何となく嫌な予感がしました。
少し早足で歩き、家に入ると、
「アレ?お帰りなさい。早かったのね」
と、いつもと変わらない感じの由美がいました。
「あ、あぁ、出先から直接帰ったからね」
「さっき、隆哉くん来てたんだよ。すれ違った?」
「え?そうなんだ、すれ違わなかったよ」
私は、意味のないウソをつきました。
「雄太いないから、すぐ帰って行ったけど。コーヒーでも入れましょうか?」
そう言って、キッチンに向かう由美。
最近はいつものことだけど、ちゃんとメイクして、服も部屋着ではありませんでした。
そして、キッチンに向かう由美。
後頭部あたりの髪が、ぐしゃぐしゃになっているのに気がつきました……。
私は、嫌な予感がどんどん強くなっていきました。
「お待たせ~」
コーヒーを持ってきてくれた明歩。私は、お礼を言いながら、飲み始めました。
まったくいつも通りの由美。
乱れた後頭部の髪以外は、何もおかしなところはありませんでした。
考えてみれば、隆哉くんはまだ子供です。
何もあるわけないと思います。
それに、何かあったとしても、明歩が私に黙っているわけもないと思います。
ただ、一度疑問に思ってしまうと、悪い想像が想像を呼び、どんどん膨らんでいきました。
そして、そんな疑問と決別するために、はっきりとさせようと決めました。