当時よく通っていた喫茶店に新人の女性が入ってきました。
見た目、学生のアルバイトかと思いましたが年齢は23歳。
ロングの黒髪を後ろで束ね化粧は薄化粧で、スタイルも良く
直ぐに店の看板娘になっていました。 私は、交代勤務の仕事を
していたので、夜勤明けなど同僚とモーニングコーヒーを飲みに
店に行ったりしていました。 同僚とも、あの娘だけど可愛いな~
などと話題には出ていました。 当然、他のお客さんの中にも
同じことを思っていた男性は居たはずです。 ある日、いつもの様に
店でコーヒーを飲んでいると、お客の一人が彼女に声を掛けていました。
時々、店で顔を見た事がある男性でした。
「真由美ちゃん。 今度、時間ある? ドライブとか食事に行こうよ」的な
デートの誘いをしていました。 店を出て、自宅に戻る最中も彼女がデートの
誘いをされていた事ばかり頭に浮かんでしまいました。
まさか本当に、なんな男とデート? そんな事を考えるとソワソワしていました。
俺も声を掛けてみようかと、なぜだか勝手に見知らぬ男にライバル心を持っていました。
数日後、勇気を出して彼女に声を掛けました。「おはよー。 これだけど…。」
彼女に、携帯番号を書いたメモと「出来たら一度、電話してほしい」というメッセージも
付けて、コッソリ渡しました。 少しの期待を待ちながら彼女からの電話を待ちましたが
その日も2日経っても電話は掛かってきませんでした。 逆に、店に行くのが気まずい
気持ちなってしまいました。 その日以来、半月程店に行って無かったと思います。
夜、コンビニで煙草を買って店を出た時でした。 自転車に乗りコンビニに立ち寄った
彼女とバッタリ遭遇しました。 私は「あっ!」という言葉しか出ませんでした。
彼女も「あっ!」っと同じでした。 次になんて言葉を掛ければいいのか直ぐに声を
掛けれない自分でした。 すると彼女の方から「こんばんは。 店に来られないから
どうしようかって思ってました。 ごめんなさい。」 彼女が謝る事じゃないのですが。
「忙しくてね。」適当な理由を言うしかありませんでした。