嫁と知り合った当時、私は地方で個人経営する居酒屋の雇われ店長を
していました。 これといって調理が出来る訳では無くスタッフ管理や
経営管理、お客様の接客対応でした。 そんな雇われ店長のいる店に
嫁が面接におと連れました。 正直、見た目だけで採用でした。
第一印象は、清楚であか抜けていており身なりも爽やかな女性でした。
一応の面接をしバイト経験もあるという事もあり即採用しました。
私30歳、嫁22歳の時でした。 仕事ぶりも良く、数名いたスタッフ
の皆(男女含む)とも仲良く勤めてくれました。 その年の年末に
私、店のオーナー、スタッフ皆で忘年会を開催しました。 その時ぐらい
からでしょうか、嫁の事を真剣に意識しだしました。 普段からも嫁の
チョットした過去や生活環境など会話の中で把握していましたが、2次会
と進むみ帰りは乗合のタクシーで皆を送り最後に残ったのが彼女(嫁)。
どういった心境でとってしまた行動なのか分かりませんが、もう1軒店に
寄らないかと誘っていました。 普段からも中の良い店長とスタッフの
関係でもあってか、すんなりと二人で飲む運びになりました。
そこで私は、嫁の事を把握していた以上の話を聞く事になりました。
面接の際の話から現在に至る間に聞いていた話は、高校を卒業後、都会の
生活に憧れて親元を離れ生活していたが、やはり都会の生活には馴染めずに
実家に戻って来た。 ご両親も健在で今は同居している。 何となくですが、
彼氏もいない。 後は、休みの日はショッピングをする等が楽しみ。といった
程度でした。 しかし、実際の話はかなり深刻な環境のようでした。
簡単に言えば、小学2年まで母子家庭だったが母親が再婚して今の父親は
継父との事。 都会の生活に憧れて家を出たのでは無く、家庭環境の事が理由で
早く家を出る口実だった。 なぜなのか? 継父が家に来て生活をする様になり
嫌な思いをする様になったらしい。 継父は一般のサラリーマンで優しくしてくれ
小さい時は、お父さんができて嬉しかったらしい。 しかし、年が経つにつれ
嫌いになっていた。 理由は、父親との入浴でした。 小学4年までは不快に
感じなかったらしいが、小学6年になっても一緒に入浴していて、体も洗ってくれて
いたらしい。 恥ずかしさも芽生えて当然の年齢でしょう。
中学に入ってからは、母親が看護師だったので夜勤で居ない時だけ一緒に入って
いたらしい。嫁曰く、入らされていた感覚との事。 それは中学に入学して
暫くの間は続いた。 それが無くなったかと思うと、全裸で平気で部屋をお歩く継父
だった。 次第に家に帰ると自分の部屋からは出なくなった。 ようやく、高校も
卒業して一人暮らしを始めたが、都会の生活に元々憧れていた訳でも無いのは本当らしく
疲れて実家に戻ってみたもののトラウマは消えないらしい。 そんな過去の生い立ちを
聞いている内、相談もされた。 「どこか賃貸できる家を探してくれますか?」
どうしても家は出たい思いが強い事は十分理解できました。 そんな事もあり彼女の
物件探しを休みの日に一緒に同行する流れとなりました。 彼女との距離が縮まった
切っ掛けになりました。 彼女の部屋で鍋を食べるようになり自然と交際がスタート
しました。 お互いが交際している事は、店長とスタッフの関係上極秘でした。
それから1年が経ったころ、オープン当初は店もお客が来ていましたが次第に客数も減り
オーナーの判断で閉店する結果になりました。 私は、それを機に職を変え彼女にプロポーズ
しました。 職も安定した時期に結婚しました。 私32歳、嫁24歳の年です。