鋭い女の勘というものがあれば、男にだって確率は低くても男の勘があってもいいと思う。そんな俺の勘が当たってしまった。
俺は24歳で、母の美和は47歳だ。俺は実家の近くで一人暮らしをしていて、親父は単身赴任中で週末だけ帰って来る。
半年ほど前から、実家に帰るたびに、何となく母に対して妙な感触を覚えていた。その感触は妙な熟女の色気が見え隠れしていて、女というものが隠し切れないでいるような印象があった。
そんな話を付き合っている彼女にしてみると、「お母さん・・もしかして好きな人ができて、恋しているのかしらね」なんて意見を言ってくれたから、そうなのかなと俺も思うようになった。
そんなある日、実家に戻った俺は、母が近くまでちょっとして用事で出た隙に、母の寝室に入って母の鞄を開いてみた。何かの証拠があるかもしれない、と思ったからだ。
いくつもの小さなポーチが鞄には入っていて、内ポケットには女性が吸いそうなメンソールの煙草をまず最初に発見した。母が喫煙しているなんて、少しも知らなかった。親父にもきっと内緒だろう。もしかすると、相手の男性から煙草を教わったのかな。
恐る恐るポーチのファスナーを開いてみると、ちょっとした化粧品の入ったポーチだった。もぅひとつ開いてみると、生理用品の入ったポーチだった。こんなタンポンやナプキンを母は使っているのか、と思った。
そして、その底からは、未開封のコンドームの袋が一つ現れた。探偵のようで悪いことをしているみたいで、ドキッとした。コンドームを持っているなんて、男がいるに違いない、男から持たされているのかな、と思った。
実家では母は母らしくしていても、どこか何となく違っているんだよなあ。
そして、ある平日の午後、駅前を歩いている母を営業車の中から発見した。着飾っている姿は年齢相当よりも少し若く見えた。驚いた俺は近くに車を止めて、母に気づかれないように接近して、物陰の死角から観察してみた。駅前のケーキ屋の片隅に立って、母は誰かと待ち合わせをしている様子に思えた。
待つこと5分、その相手が現れた。母よりも30代半ばに見える若いスーツ姿の男だった。男と出会った母は嬉しそうな笑顔を広げて、愛しげに男を見詰めていた。二人は歩き出すと、横断歩道まで出た。日頃は見慣れない母の服装は女を演出したもので、ブーツに膝上のスカートは初めて見た。黒いストッキングは男好みか。
信号が変わって歩き出した二人は、道路を渡り切ると急に接近して、男の腕が母の腰に深く回り込み、寄り添いながら母も頭を男の肩に預けていた。
道路の向こう側の裏通りには、ホテル街があった。角を曲がって、二人はホテル街に向かっていった。男が周辺を見渡したけれど、母は男にエスコートされて、一緒にホテルに入っていった。
そうか、そんなことだったのか・・・母も現役の女なんだな・・・その男に抱かれて、女の喘ぎ声を部屋に発散しているのかな。まあ、母にも人生がある。