俺は小さな漁村で育ちました。
村には同じ年のミサキという女の子がおり、ずっと小さい頃から一緒に育ってきました。
そして中学卒業時、俺たちは付き合いだしました。
高校を卒業し今年の春から二人一緒に大学進学。
市街の中心地にアパートを借りました。
ただ同棲に関しては親の反対もあったので、同じアパートでそれぞれ部屋を借りることに。
3ヶ月くらい前にそのミサキと大喧嘩をしました。
喧嘩の理由は単純なもので、ミサキにあまり構わず、自由に遊びほうけてしまった事。
「もっと構ってよ、本当に私のこと好きなの?」
俺も調子に乗ってて適当に「はいはい・・・」と返事をしたところ
「私だって、ナンパとかされるんだよ?」
「同じ学科の田中君にだってこないだ誘われて・・・でも断って・・・私の気持ちわかってるの?!」
俺も頭に血が上ってしまってたこともあり「だったらミサキだって好きにすればいい!勝手にしろ!」
ミサキは泣きながら去っていきました。
喧嘩をしたのが金曜日の夜。
俺も言い過ぎたと反省、翌日ミサキの部屋のチャイムを鳴らすも反応無し。
電話をしても反応無し。
ベランダから覗いてみても明かりがついてなく、夜になっても部屋にいる気配がありません。
日曜も同じでした。
心配になりミサキの実家に電話をかけてみたが帰っておらず、手当たり次第に電話をかけても反応無し。
月曜日。
大学にもミサキの姿はありませんでした。
なんとなくミサキの言葉が引っかかってたこともあり、同じ学科の田中に心当たりがないか聞いてみました。
「あ、彼氏さん?ミサキちゃん?・・・心当たり?うん・・・知ってるには知ってるけど・・・」
あまり大声で話すとまずいとの事で昼飯時に二人になり話を聞きました。
「彼氏さんの前でこんな話するのも変な話なんだけど・・・怒らないで聞いてくれるなら全部話すよ」
俺は怒らない約束をして田中から話を聞きました。
「金曜の夜にね、ミサキちゃんから電話もらって。」
「食事してたら泣き出しちゃって、彼氏さんと喧嘩したって。」
「部屋にくる?って誘ってんだけど断られて、だったら公園で少し飲もうか?って流れになって。」
「お酒飲んだことなかったみたいで、すぐ酔っちゃって。俺の家が駄目ならホテルで休憩していくって」
「あまり反応もなかったからつい・・・」
俺は怒り心頭だったが、まだ続きがあったようなので怒りを抑え聞き続けました。
「ただね・・・俺も彼女がいるんだよね。ミサキちゃんも彼氏いるし・・・一夜だけっていうかそういう関係かなって思って誘ったんだけど・・・」
「次の日の朝になっても離れたくないって。結局土曜もずっと一緒にいて夜もまたホテル行って」
「日曜は彼女と遊ぶから家に帰れって返したんだけど、夜また電話かかってきて俺の部屋にころがりこんできて」
「たぶん、今も俺の部屋にいると思うんだよね、彼氏さんと顔合わすの嫌なんじゃないかなミサキちゃん・・・」
「俺も彼女にバレたら大変なことになるし、正直ここらで終わりにしないとヤバイし・・・ミサキちゃんちょっと重い・・・」
とりあえず一発ぶん殴って田中とのランチは終了しました。