この1年半余りの間に色々な事がありました。 私の昇進から自業自得的な
生活の環境変化によるものでした。 高卒で就職し10年。 職場の中に4グーループある中で
グループの副班長を任され気分は上々でした。 丁度、その時期に付き合っていた彼女とも
結婚しました。年は一つ下です。 私、29歳。嫁、28歳でした。それから2年が経った頃に
先輩の一人が退職を期に、班長に昇進。 それでも同じ職場に配属された同期の中では、2番目の
昇進でした。 それまでも、職場での飲み会がありましたが、グループでの飲み会のトップは、
やはり班長でした。 中には、嫌われている人物もいましたが、酒を飲むと、この中では自分が
一番偉いんだと思っているのかは知りませんが、偉そうにしていました。
自分は、そうなりたく無いと思っていたものです。 班長になる前には、 部下(後輩)を連れて
飲み屋に行き、支払いは班長のおごり。 その時は、助かりました。
また、家にも招待するなど色々な上司を見て来ました。 気付けば、自分が班長になり飲みに
行っても店の女の子にチヤホヤされたり部下にヨイショされて太っ腹になっていた自分がいました。
それまでは、後輩を家に招いて家飲みなどはした事もありませんでした。 それも気付けば、風習と
いうか自己満足かも知れませんが、やっていました。 私も、役職に就く前は、飲み会の時は上司に
声を掛けて参加してもらっていました。 目的は、飲み会の費用を少しでも安くする為に上司に
お金を出させようとすることでした。 私も、その為だけに声を掛けられるようになっていたのかも
知れませんが、飲みに出る回数も増えました。 当然ですが、出費も膨らみました。
嫁曰く、「出世というか昇進もいいけど、副班長まで位が一番良かったよ。 多少は給料も上がった
みたいだけど、出て行くお金の方が大きいし」 確かに、嫁の言うのも一理ありました。
嫁が、特に嫌だったのが、飲んだ流れで会社の人を夜中に連れて来られる事でした。
初めは、普通に対応してくれていましたが、回数が増えるにつれ愚痴を言ってくる様になりました。
その時は、「分かった分かった。」と返事をしていましたが、嫁の気持ちなどは気付けば、どこ吹く風で
嫁の愚痴に対して何も改善しない生活が続いていました。 そんな状況の生活も自爆に繋がる原因の
一つでした。 昨年の7月に、中途採用で男性が入社してきました。 私のグループに配属となり、班長の
私が教育担当(指導員)に必然的になりました。 彼が、我が家に来たのは彼の歓迎会をした日でした。
部下全員が来た訳ではありませんが、当日の主役でもあり、教育担当(班長)と新人の部下という関係もあり
来るべくっして来たという感じでした。 教育担当及び班長という立場上、彼のプロフィールは一番知って
いたつもりでした。 自宅に来て、嫁に新人君を紹介。 後のメンバーは、顔なじみ。 中には、「奥さん~
今日も、おじゃましまーす。」と言って、部屋に入る前にトイレに駆け込む部下もいました。
いつもの様にお開きになり嫁に頭を下げる私でした。 しかし、嫁の反応が、いつもと違った気がしました。
普段なら、「結局、また家に連れてきて……」と、言われるものと思っていましたが、その日の嫁は
「今日、来ていた新人のM君。知ってるよ。少し話したけど、その事はM君にも言わなかったけど、どこの会社
だか知らないけど、先月まで○○さんの家を建て替えるとかで解体してだしょ。 その解体作業に来ていたよ。」
「なんで、分かるの」 「だって、いつも水を撒いてたし、よく怒られていたと言うか、○○~早くしろやー!って
怒鳴られていたの見た事あるから。 ワー可哀想って思ってたから。覚えてるの。 凄く、真面目な青年かと思うよ。
怒鳴られても、ハイ!って返事して頑張ってたし。」 「そうなんだ?」
私が、会社から受け取った履歴書には書かれていませんでした。 それからというもの、教育担当者という事もあってか
彼に対する指導には、今までの後輩や部下には無かった気持ちがありました。
しいて言えば、「年は離れていましたが、弟分」とでも言えばいいのでしょうか。
彼も私に対し、信頼を持ちお互いが好感を持っていました。 彼の事を少し説明すると
当時は
・独身
・21歳
・地方出身
・会社の独身寮生活
・嫁から聞いた、履歴書には書かれていなかった仕事での器量の通り、
怒鳴る。とまではいきませんが、不器用な所があります。 ただ、本当に
一生懸命な姿勢は感じれました。
そんな、彼と私のとの関係もあり、飲み会のある日だけでなく、普通に自宅で
食事をしながら酒を飲むという状態になっていました。 嫁にしても、
外で、飲みだくれた男が夜中に押しかけるより喜んでいましたし、 M君は、
必ずと言って言いぐらい嫁の手土産を忘れませんでした。 大した物を持って来る
訳ではありません。 来る途中に、家の近くにあるコンビニで買ったのであろうとは
思われますが、アイスクリームを買って来たり。 私の家に通うようになり嫁が
飲みたいお酒の種類を知ってか、酎ハイやカクテルを持って来ました。
私としても、いや。私自身、上司の家にお邪魔する時に彼の様な事をしたことが
無かったので、関心っしていました。 そんな彼との付き合いが半年ほど続きました。