始まりは、私が33歳・嫁28歳の時でした。結婚して2年が過ぎた頃です。
私の仕事の都合で転勤となり、嫁も仕事をしていたという事もあって
私だけが先に転勤先で一人生活をする環境になりました。約3ヶ月間の
単身赴任のような状況でした。 ようやく嫁も仕事を退職し、また二人
の生活が始まる最中でした。 一月前になると、先に嫁が段ボールに入れ
られた荷物を数個送って来ました。向こうの片付けをしながら数回に分け
送られて来ましたが、6畳の部屋半分が段ボールに入った荷物となりました。
嫁も途中で一度、転勤先の新しい新居に片付けに来ました。少し段ボールの
山も減りました。 一泊した後、昼にはまた戻って行きました。
嫁が帰った後、空になった段ボールを私は片付けました。 私にも出来る
事はないかと、まだ開けていない荷物の箱を開けると今の季節には着ない衣類
でした。 数個開けましたが開けた箱全てが衣類関係でした。何の役にも立て
ませんでした。 残りの箱も同じだろうと思いその日は作業をやめました。
翌日になり気付きましたが、箱の側面に中身が分かるようにだと思いますが
黒のマジックで○印がありました。残りの箱も見ると数個○印の箱が有りました。
その他、中には(真)・(健)などと書かれた印が有りました。その中で、気に
なる箱が一箱目につきました。 何も印が付いていない箱でした。私は何も
考えないまま箱を開けました。 中に入っていたのは嫁のバックでした。
そしてバックの下に手帳のような物が見えました。バックを取出すと、数冊の
手帳が入っていました。 私は、その一冊を手に取りページを開きました。
嫁が書いた日記だと分かりました。 見てはいけないと思いましたが、少しだけ
ならと自分勝手な考えでページを捲り進めました。