二人が会う予定の日に、私の休みが取れたのだ。当日、私は妻には仕事のふりをして自宅を出た。妻も普段と変わらず娘の幼稚園に行く準備をしていた。私は田中から指定されていた場所に向かった。指定場所近くのコインパーキングに車を止めて、田中を待った。指定時刻になると、田中が乗った車が私の前に止まった。『おはようございます!乗って下さい!』車に乗るとすぐに車はどこかに走り出した。『田中くんの家は近くなの?』田中の自宅で実行する気なのだと思っていた私は素朴に聞いた。『うちはまだ先ですね。場所はうちではありませんよ!友達の親がやってるアパートの空きがあるんですけど、そこをいつも使わせて貰ってるですよ!』 少し心配そうな顔をした私に、『許可は貰ってるし、ほら鍵だって…』 そういって鍵を見せた。『大丈夫ですよ!いつもそこでやってるんだから!』なんだか妙にリアルな言い方になんだか嫉妬してしまった。しばらく車を走らせると、アパートに着いた。アパートはお世辞にも綺麗とは言い難い感じだった。空いている部屋と言うより、ほとんどか空いているんじゃないかって感じだった。田中の後を歩き、2階の一番奥の部屋に入った。 部屋は、台所が有り、洋間と横には寝室であろう和室があった。ガラスにカーテンはなく、模造紙のような紙で、窓のガラスは覆われていた。台所と洋間にはものはこれといってなく、漫画や雑誌が数冊乱雑に置かれていた。和室には、厚めの敷き布団が真ん中に置かれていた。そして、その傍にはティッシュの箱とコンドームの箱が置かれていた。《仲間みんなで使っているやり部屋なのだろうか…?妻はこんな場所でこの男と…》そんなことを思うと、フライング気味に私の股間を熱くした。『じゃあ、佐藤さんはこの中に隠れていてください!行為が始まるまでは、物音出さないで下さいよ!ばれても責任持ちませんよ!まあ、始まってしまったらたぶん多少ではばれないでしょうから、たっぷり楽しんで下さいよ!』笑みを浮かべて言った。『じゃあ、奥さんを迎えに行って連れてきてますね!』そう言うと、田中はアパートを後にした。私は、今まで味わった事がない気分でソワソワしていた。真っ暗な押し入れが傾いているのか、わずかに光が入ってくる。その隙間を覗き込むと、和室に引かれた布団が見える。《これからそこで妻が…違う男とのセックスを…》私の鼓動はどんどん早くなった。どれくらい待っただろう…玄関のドアを開ける音が聞こえる。(ガチャガチャ…)《帰ってきた…!》 私は生唾を飲んだ。ドアが開くと男女の声が聞こえてくる。妻の声だ。私は押し入れの襖から離れ、遠めから隙間を覗いた。わずかに二人の姿が見えた。妻の服装は、特にお洒落を決めていることもなく、普段、子供を幼稚園に送り迎えしている服装だった。膝丈のスカートから妻の脚が見える。『今回は久しぶりだね…ちゃんとオナニー我慢してた?(笑)』『やだぁ…。何言ってるのよ……。』
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