「お客さん、そろそろ閉店ですが。」
肩を揺すられ気がつくと本館のバーでした。
時計を見ると1時半をまわっています。
酔いのためかショックのせいかふらつく足取りで別棟の部屋まで帰って来ました。
ドアを開けふすまに手をかけたところで(何をオドオドしてるんだ。ユキは俺の妻じゃないか)開き直って、それでも慎重に音をたてないようにふすまを開きました。
枕元の電灯だけの薄暗い部屋はセックスの名残の饐えた匂いが漂い、一番奥の布団にsさんと妻が抱き合って眠っていました。
真ん中の布団はシーツが剥がれ激しかったセックスを物語るかのようでした。
抱き合って眠る二人を見ていると酔いがまわってきたのかフラフラしてきて、あっと言う間に眠ってしまいました。
目を覚ますと一瞬ここが何処かさえもわからず事態を飲み込むのに時間がかかりました。
(ああそうだ、ここは温泉宿で・・。 妻は?)
顔を奥の布団の方に向けると、妻もこちらを見ています。というか焦点の合わない目でこっちの方を向いてるといった感じです。
目をこすってもう一度はっきり妻を見ると、口が半分空き、むき出しの肩が小刻みに揺れています。下半身のあたりの布団がリズミカルに揺れています。
上半身を起こして見てみると、妻に後ろから抱きつくsさんがいました。
sさんは私に気ずくと妻の耳元に何か囁き掛け布団を勢いよくはぎました。
私に見せ付けるとうに妻の右足を抱え込むと大きく開きます。そこには妻の膣に出入りするsさんのペニスが。そしてそのペニスは白く濁った液が纏わりついています。妻の愛液だと気づくまでしばらくかかりました。
私とのセックスであれほど白く濁った愛液を出したことはありません。
(これが噂による本気汁か。)妙にさめた自分がいました。
sさんが妻の耳元で何か囁きますが、妻は首を横に振っています。
何度目かの囁きに妻が首を縦にふると、それまで一定のリズムでゆっくり動いていた腰が急にスピードをあげました。
妻の口からもはばかることのない声が出ます。そしてやがて
「逝きそう。 逝かせて!」の声が・・。
「たつやさんが見てるけどいいの?」
意地悪なsさんの問いかけにも首を横に振りながら
「お願い 逝かせて!」
「たつやさんの前で逝っちゃうんだ」
「 逝かせて! 」
「たつやさんの前で逝くんだね。」
「 そう たつやの前で 逝っちゃうの・・・。」
sさんが腰の動きはいっそう早めると妻の口から止めの言葉が。
「逝く! 逝く! ああs! s!」
身体を仰け反らせ足をピンと伸ばし、大きな声で絶頂を向かえました。
妻が逝った後もゆっくり腰をうごかしていたsさんですが、顔を妻の顔に近づけると、妻が口を大きく開くではありませんか。
妻の口にsさんの唾液が垂らされます。それを美味しそうに喉を鳴らして飲み込むと、もう一度口を大きく開けオネダリする妻。
完全なマーキングです。
やがて二人は私の存在を忘れたかのように露天風呂へと行ってしまいました。
仲居さんが布団を上げ朝食の膳が運ばれても二人は露天風呂からでて来ません。風呂でもしてるのでしょう。
やがて風呂から出てきた二人は当然のように二人並んで朝食の膳の前に座りました。昨日までは私の横にいた妻が今朝はsさんの横にいます。
チェックアウトを済ますと帰路につきました。行きと同じ私が運転で後部座席が妻とsさんです。
行きと違っていたのはsさんの手が常に妻のスカートの中にあった事。
ずっと4時間近く指での愛撫を受けそれでも逝く直前で愛撫をやめられ、焦らされていた妻はsさんが車を降りる直前にやっと止めをさしてもらいました。
家に帰り着くと玄関のドア閉めると同時に妻を抱き寄せました。
妻もしっかり受け止めてくれました。
夜、ベッドの中で今回の旅行の事あれこれと尋ねました。
ポツリポツリと妻が話してくれました。
「席はずして、って言ったのはsさんが、たつやさんの見ていないところなら今までに味わったことのない快感あたえてやる って言われたから。」
「朝の件は せめて今日分かれるまで夫婦ごっこをしてほしい って言われたから。」
「奥さんと僕が仲良くする方がたつやさん 興奮するんだよ ってsさんからいわれたから・・・。」
「今回の事はたつやが喜ぶなら、って すべてたつやの為なんだよ。」
妻の言葉を聞きギュっと抱きしめました。
キスをして、妻の寝巻きを脱がせ、ショーツを剥いだ時愕然としました。
本来そこにあるべきヘアがまったく無い。朝の露天風呂で剃られたのでしょうか?そして内腿には無数のキスマークが・・。
(こんなところまでマーキングしやがって。それにしても妻も何も言わずに剃らせたのか?)
怒りと興奮の混じった気持ちで抱いた妻は気のせいかいつもの妻とは違っていました。
そして決定的な事件が起こったのはそれから2週間後でした。