コンビニにて.番外篇5-2.2月23日 の続き
思いもしなかった来客(愛莉の双子の姉,痲莉)を見送った後,愛莉が、
「どう,ビックリした?一卵性だから見分け付かなかったでしょ」 と俺の顔を覗き込む愛莉。
「ま,まあね。でも何? さっきの言い方、あれじゃまるで・・・」と言いかけると、
「まるで,なに?」 愛莉は次の俺の言葉を待った。
「今俺達は付き合ってて,直ぐにでも結婚するって聞こえ・・・」と言い掛けて言葉に詰まった。
「違うの?愛莉と付き合ってるんじゃ無いの? それとも飯村さんは愛莉との事は単なる遊び
なの? 愛莉の事好きって言ってくれたじゃない。あれは嘘? 口からの出まかせ?」
と涙目で瞳を潤ませながら,訴えかけて来る愛莉を見たからだ。
「そんな事は無いけど,愛莉は既婚者だし,仮に結婚するにしても既成事実が在る訳じゃ
無いし,在ったとしてもそれじゃ不倫になってしまうし」と慎重に言葉を選びながら言う俺に、
「じゃ何で愛莉を此処に連れてきたの? ディズニーシーは良いとしても,何故愛莉に黙って
ここを予約してたの? それもこんな部屋に、愛莉と一緒に寝たいんでしょ? だとしたら愛莉と
そういう事シタかったからでしょ? 違う?」と愛莉に詰問され,俺が返答に困っていると、
「愛莉は心に決めてたの。『飯村さんが愛莉を欲した時は勧んで愛莉の全て差し出そう。飯村
さんがそれで悦んでくれるなら,歓んで愛莉のこの身を捧げよう』って。このホテルに一緒に
お泊りするって聞いた時,覚悟を決めたの。なのに・・・」 と涙して俺に縋り付いてきた愛莉を
抱き締めながら、「本当にいいのか?不倫になってしまうんだぞ。もし旦那に判ったら離婚を
言われるかも知れないんだぞ。それでもいいのか?」と威し口調で言うと、
「いいもん。その時は愛莉,飯村さんに付いてくもん。ネッ,いいでしょう?」と愛莉そう言って
俺の背に回した腕に力を込める。が,抱き締める愛莉の躰は,小刻みに震えていた。 口では
そう強がって言ってたが,愛莉にしてみれば相当の覚悟なのだろう、という事が受け取れた。
そんな愛莉が愛しく,力強く抱き締め,身軽な愛莉を(俗にいうお姫様抱っこの様に)抱き上げ,
ベットに運んで,その間俺にギュッとしがみ付いてた愛莉を静かにベッドに寝かせた。