俺のださいワイシャツがどんなにほころびていようと絶対に
裁縫などしない嫁が裁縫教室なぞに行くと言って出て行ってしまった。
「おまえな、そんなとこ行く暇あんのやったら部屋の掃除でもせんかいっ!!」と
は言えない気弱な俺は仕方なく子供と留守番をすることになってしまった
いつだって聞き分けのいい俺の子供達は嫁の姿が見えなくなると火がついたように
泣き出した。もう、こうなってはどんなになだめても無駄である。
手がつけられん。最後の手段として俺は少ない小遣いから断腸の思いで、チビを連
れて子供達の大好きな「おかあさんといっしょ 12月号」なる雑誌を
買いに近所の本屋へ向かった。変わり身の早い俺の子供達は速攻で泣き止み
カッパを着だした。帰宅すると子供達は「おかあさんといっしょ12月号」の付録で
あるシールセットをおそらく嫁が見たら卒倒しそうな場所、ストーブの上やら
TV画面の真中やら大事にしてるが俺にはさっぱり理解不能な
クラッシックのCDなどにぺたぺたと貼る作業に没頭し出した。
自由な時間を金でかった形の俺はこれ幸いとこのサイトにやってきて
意外なまでの俺の過去の投稿の好評さに気をよくし、リスクを
犯してまで続編を書くことにした。ただし嫁が帰宅した瞬間
一時中断することをお許し願いたい
シュモクザメへ念をこめたメールを出し、かなり心拍数を上げながら事務所に戻っ
た。驚いた事に5分後に返信が来た。ポケットの中で踊る俺のボス電2。
またもニヤつく俺。会社の女の子に怪しがられてもおかしくは無かったが
無事、再度トイレの個室の鍵を掛ける事ができた
「別に暇って訳じゃないけどメールしました。あなたのことはなんて呼べばいい
の?」そう書いてあったシュモクザメからのメール
もし、これがいわゆる出会い系サイトから回ってくるメールなら完璧に思う壺
って感じだが、例により速攻で返信せざる得ないバカな俺。
「ヤジオって呼んでください。貴女の事は何て呼べばいいでしょうか」
こんな感じで俺はついに本物のシュモクザメとメル友になることに成功したのだ
「とにかく誉めて誉めて褒めちぎれ、愚痴を言ってきたら大げさなくらい同調し、
頷きまくれ」 俺のネットナンパの師匠の門外不出の極意を又も皆さんに教えて
しまおう
これに爽やかさをミックスし、俺はストーカー一歩手前になるくらいメールを
出し続けた。シュモクザメからは必ず返信はきたが、まるで4打数3安打レーザー
ビームでチームの危機を救い新聞記者に囲まれたときのイチローのコメントの
ようなぶっきらぼうさが最初のメールから一貫して感じられた。
とにかく、文章が短いのだ。俺は自慢のボス電2のちっこい画面では収まりきらな
い位にその日の出来事をご報告させて頂いているのに、やつからの返事は長くて
3行、一番短いので一文字なんてのもあった。甲子園名物PL学園応援団のあれでは無
い。
一文字!!本当に一文字でコミュニケーションできているのか?
おそらく読者の皆さんは疑問に思うであろう。しょうがないのでそのときの
会話のやり取りを教えておこう
俺「・・中略・・ところでシュモクザメさんは肉と魚どっちが好きですか?」
鮫「肉」
。。。。。。。。
こんなひどい仕打ちを受けた夜は記憶の宮殿からシュモクザメを呼び出し
お仕置きを与える事でどうにか俺はぷっつん切れずに連日メールを出し続けた
そんな乏しい会話の中でシュモクザメはどうやら専業主婦で旦那は普通の会社員
子供は二人で上は幼稚園、下は一歳未満、お酒は飲めるが最近行ってない
などの情報を記憶の宮殿にインプットすることに成功した
3日で15回くらいのメールを交換しあったにもかかわらずエレベーターの中で
顔は知ってるけど話した事はないちょっと気になる異性と二人きりで乗り合わせて
しまったような気まずい関係の俺達二人。(達って呼べるのか?)
俺はこの関係を打破すべく、思い切って、本当に思い切って昼飯に誘ってみた
いきなり飲みに誘うと警戒するでえ、との師からのアドバイスもあったのだが、、
意外にも、「別にいいよ、でも前もって言ってね、子供を親に預けないと」てな
返事がきた。しつこいようだが家庭内で居場所の無い俺の指定席になりつつある
会社の便所(洋式個室)の中で俺は完全に狂ったように躍り上がった!!
シュモクザメと食事!!よっしゃああああああ
俺はジョホールバルで劇的なVゴールをあげた野人岡野の気持ちがちょっとだけ
理解出来た気がした。
しかし俺は同時に大きな悩みを抱えることになる
そう、「たまには外食でもしよけー」 「パパー王将?」 「あたりまえや、あの餃子
最高やんか」 外食と言えば餃子の王将しかしない俺の一家、その主である
ださい俺は王将以外に気の利いた飯屋をしらないのである。
いくら俺がダサくてもナンパし、初めて飯を食うのに王将に連れて行っては
その後の展開があまりにも不利になることくらいは解る
どうするどうするどうする、、、、、、、、、
いつだって赤字続きの俺の属する営業所の右下がりの業績を悩んでいると
俺の馬鹿な上司は思っていたのだろう、ところがギッチョン俺はシュモクザメと
どこで何を食うかそればっかり悩んでいたのだ、、、、、
実は半分くらい書いたとこで恐ろしいほどに俺の悪事を嗅ぎつけることに関して
ジャングルの中のジャガーのように勘が鋭い俺の嫁が帰って来て、いつだって
聞き分けのいい俺の子供が「ママー」って抱きつきに行き、「ナーイス時間稼ぎ
でかした、チビよ!!」って思いながら上書保存に成功!
10時過ぎに「あー疲れた、ウチ、もう寝るわー」とかぬかし嫁が寝てしまい
「疲れたんわおまえやないちゅうねん、俺やって」言いたかったけど
「そら、裁縫やったっけ?細かいもんしてはんのやから疲れるわー、今日は
もう、はよ寝ー」とかなんとか言って子供といっしょに寝かす事に成功して
再度書き続けさせていただいたどこまでも情けなく気弱な俺だが
俺の方も眠たくなってきた。非常に個人的な話だが、明日も一家で動物園に行くの
だ。ど・う・ぶ・つ・え・ん 恐らく俺はキリンや象やカバやライオンなど目もく
れず新たな記憶の宮殿にふさわしい女をロックオンするのだろう。その間も
おそろしく体が弱く気弱で嫁の強烈なご指示に対し一言にも言い返せない
ダサい俺は明日も駒使いのように働かねばならん。体力を蓄えるためにすまん
もう寝る。続きは又今度。おやすみなさい