平日の昼間、喧騒に包まれた街の中――
シティホテルの一室に、俺たちは静かに入った。
彼女は既婚者。左手の薬指に光る細いリングが、ここが現実であることを突きつける。
けれど、俺を見上げる彼女の瞳は熱を帯び、抑えきれない欲望を映していた。
服を脱がせ、ベッドに横たえ、ゆっくりと脚を開かせる。
まずは丁寧に剃毛から始めると、彼女はくすぐったそうに身をよじりながら、徐々に甘い吐息を漏らし始めた。
すべてを剃り終え、ツルツルになったその肌に指先を滑らせると、小さな声で切なげに息を漏らす。
温めたオイルを垂らし、滑らせるように胸、腹部、太ももへと撫でていくと、彼女は徐々に腰を浮かせてきた。
昼の光の中、濡れた肌が艶やかに光り、ベッドの上であられもなく乱れていく彼女は、誰よりも美しかった。
俺が彼女の脚の間に自分を添えたとき、彼女は潤んだ瞳でそっと囁いた。
「……入れて、お願い」
その一言だけで、全てが解放された。
何も纏わず、俺は彼女の中へゆっくりと沈み込んでいく。
中はとろけるように熱く、何度も締めつけてくる。
突き入れるたび、甘くくぐもった声が喉から漏れ、彼女の身体が俺を迎え入れるように揺れる。
そして何度目かの突き上げのあと――
彼女の奥深くで限界を迎えた俺は、そのまま彼女の中へすべてを吐き出した。
びくびくと身体が震えながら、彼女の中に熱を注ぎ続ける。
そして、抜かずにそのまま、彼女の中でじっとしていた。
彼女の脚が、しっかりと俺の腰に絡まってくる。
「まだ……そのままでいて」
小さくそう呟かれ、俺も応えるように身体を重ねたまま、そっと彼女を抱きしめた。
ぴったりと繋がったままのふたりの身体。
中には俺の熱がたっぷりと注がれ、それを包み込むように彼女の奥が静かに脈打っていた。
動きは止まっていても、結びついた感覚は強く、濃く、心を満たしていく。
彼女は微笑みながら、俺の髪を撫でる。
「だめね……こんなにされちゃったら、もう離れられない」
その声が耳元で震えて、俺の中の独占欲がまた静かに燃え上がる。
昼間のシティホテル。
外の世界では何事もなく時間が過ぎているけれど、
この部屋の中だけは、ふたりだけの濃密な時間が流れていた。